ファイナルガール
ファイナルガール / 感想・レビュー
ヴェネツィア
表題作を含む7篇からなる短篇集。主として文芸誌「en-taxi」に掲載されたもの。篇中には「狼」のように、最初から日常を超えたものもあるが、概ねは日常と非日常の淡いの、いわば境界上に展開する小説である。藤野可織はまだ2作目だが、既読の『爪と目』から連想する世界、すなわち日常から、あるいは小説の文法から大きく逸脱することはない。その意味では、やや地味というか、少なくても驚きは少なく、普通の(?)小説に接近したかのようである。もっとも、これでも十分に面白いのだが。これからも、さらに注目していきたいと思う。
2019/10/24
❁かな❁
藤野可織さん作品を読むのは2作目。『おはなしして子ちゃん』でとても独創的な世界観に衝撃を受け他の作品を読んでみたくなりました!今作も不気味だったり怖かったり、グロかったりして藤野ワールド全開でした(笑)スゴイ☆好き嫌い完全に別れる作品だと思います^^;読みながら怖い〜、もう読めないって気持ちと続きが気になり読み進めたい気持ちがあり、怖いのに読みやすく一気に読んでしまう感じです!7編の中で『大自然』のみ青春って感じでした。『プファイフェンベルガー』『狼』『ファイナルガール』怖いけどパワフルで面白かったです★
2014/09/06
なゆ
あいかわらず何だかよくわからん勢いあふれる話が7つ。楽しくたっぷり堪能させていただきました。しかし、恋愛小説集という感じではないような…!?冒頭の「大自然」だけは、かすかな恋のようなものは感じるけど。現代男の子版赤ずきんちゃんの「狼」のスリリング感と最後のしぼみ方が好きだ。「ファイナルガール」、あんな凄まじい人生はイヤだ…。一番好きなのは「プファイフェンベルガー」。老婆のバレリーナが出てくるあたりから何かが加速していく感じがゾクゾク!脳内映像、シュールすぎて怖い。夢に出て来てうなされそう
2014/04/24
ちゃんみー
7編からなる短編集。初読み作家さんなんですけど、何処かで名前を見たことあるなぁと思ってたら、昨年の芥川賞とった作家さんなんですね。なるほど、芥川賞らしい作品でした。まるで国語のお勉強のような文章でやはりこの手の本はアホな私には合わないみたいです。少しホラーっぽい感じとでも言っておきましょうか。
2014/05/08
らむり
いやぁ〜良かった。藤野さんワールドを存分に堪能できましたー。特に、「狼」と表題作が好き。藤野さんファンには満足の1冊だと思います。帯には恋愛小説集と書かれてますが…。
2014/03/25
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