ここが私の東京
ここが私の東京 / 感想・レビュー
hiratax
各作家の上京論を文献資料をもとにひもとく。末尾には著者自身の上京録も。20代を非常勤の国語教師として関西地方を転々とし、32歳で上京。最初に住んだ場所は川向うの埼玉県戸田市だったという。著者のカバー領域は広いんだがこれも「古本」という磁場があるゆえだろう。著者はコレクターではあるが、希少本より100円本を選ぶ。ゆえに山師的、投機的な嫌味がないのもいい。偏在するものをどう面白がるか、という視点はサブカルチャー的でもある。
2016/06/24
山男777
作家氏の出は大阪なのだが東京に憧れ。まず東京の生活基盤が大前提、それから生計を得る。東京にこだわるのは強いていえば東京のレトロ文化のこだわりからだろうか、路地裏散歩、聞いたことはない文人墨客をあますことなく網羅登場させる。当時蠢いたであろう足跡を辿る。興味深く拝読面白かった。他に本があれば読んで応援したいものだ。
2016/05/09
yoshiyuki okada
『昭和三十年代の匂い』(ちくま文庫)以来の岡崎武志。著者は大阪の人だったんですね。よく東京を歩いておられる。歩かなければ書けない本です。
2017/12/04
poefan
佐藤泰志の国分寺、出久根達郎の月島、庄野潤三の石神井、司修の赤羽、開高健は東京、藤子不二雄がトキワ荘、友部正人の阿佐ヶ谷、富岡多恵子の新宿などなど著者の若き日とも重ねて綴られる東京物語。文化を勉強するための基本図書の一冊。
2016/06/16
rosetta
地方から東京に出てきた文学者、ミュージシャン、漫画家らを通して東京を見つめた本。時代は昭和30年代から平成が始まる前くらいまで。舞台は東京でも月島や練馬、杉並辺りが多く江戸時代の風情を残していたり、当時はなにもないだだっ広い土地にポツンと一軒家が建っていたりで、あまり都心は出てこない。しかもほとんど名前しか知らない作家ばかり。藤子不二雄だって『まんが道』は読んでないし。ユーミンは東京とは言え八王子だし。むしろ街の変わり方が面白いと思った。けっこう後まで建物が残っていたりとか。
2016/06/13
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