火の柱(下) (海外文庫)
火の柱(下) (海外文庫) / 感想・レビュー
starbro
新型コロナウィルス対策購入シリーズ第41弾、『火の柱』上中下全3巻、1,600頁超完読しました。宗教戦争と各国の思惑が入り乱れた壮大な物語、世界史で表面的には知っている内容ですが、史実とノンフィクションが絶妙に混じり合ったドラマを堪能しました。三部作で完結かと思いきや、第四弾が執筆されているようで、次回作は大聖堂以前の物語とのことです。引き続き、キングスブリッジ(大聖堂)・シリーズを読み続けます。
2020/05/13
のぶ
最終巻に入っても、カトリックとプロテスタントの壮絶なる戦いは続いていた。ある事件以降、カトリック勢力による支配を強めたフランスは、スペインと組んでイングランド侵攻の計画を練る。この巻では戦いの描写が半分以上を占め、当時の諍いの激しさをよく知る事ができた。約1600ページに及ぶ大作を読み切ったが、最初の「大聖堂」から約400年が経過した物語で、「大聖堂」の続編とはかけ離れた印象を受けた。従って独立した大河小説として読む事ができるし、膨大な登場人物もよく整理されていて、面白い本だった。
2020/05/05
キムチ
装丁はゲッティの「メアリー女王」 2人の女王を巡る家臣の暗躍、諸外国の思惑に宗教対立が絡み、一方の盟主が無敵艦隊で英国に牙を剥く。大河ともいうべき中世から近世のうねりはラスト、ピューリタン派が新大陸を目指すところでエンド。素晴らしいエンタテインメントであった。終えてみるとネッドとその周りの視点がコアになり、歴史のフィクション部分を大胆に膨らませていくフォレットの技に敬服するのみ。物語始め 運命的な対立関係にあったウィラード家と相方~その末裔まで国を跨ぎつつ「専制と寛容」を如何に秤にかけるかの懊悩が続いた。
2020/05/31
星落秋風五丈原
スペインの無敵艦隊アルマダとの決戦には船乗り、メアリーの最期には付き従っていた親友、ガイ・フォークス・デイの元になった陰謀にはネッドの兄ロロなどこれまで配されてきた架空の人物視点で史実が描かれる。最も皆に知られていて歴史の教科書に登場する出来事が多いので馴染みやすい。主役カップルのネッドとマージェリーも苦難を乗り越えて善人が報われ悪人がとことん報いを受ける大団円に、今まで不満を溜めていた読者も大満足。海洋小説、陰謀飛び交う政治にメインの主役の恋愛と、複雑なストーリーをまとめ上げるケン・フォレットの剛腕。
2020/04/15
エドワード
エリザベス1世は、自らを守るためにメアリー・ステュアートを処刑せざるを得なかった。脅威を感じたカトリック陣営は、スペインの無敵艦隊を英国へ差し向ける。ドレイクの指揮下でバーニーとネッドが活躍する大迫力の海上戦はイギリスが勝利する。エリザベスが崩御し、メアリーの息子、プロテスタントのエドワードが即位して平和が訪れるかに見えたが、マージェリーの兄・ロロの最後の悪役ぶりが光る。ロロの国王暗殺計画を未然に防ぐネッド。ネッドの孫のジャックがメイフラワー号で新大陸を目指す終幕、壮大な歴史絵巻が環を閉じる。お疲れ様!
2020/08/15
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