寝る脳は風邪をひかない
寝る脳は風邪をひかない / 感想・レビュー
アキ
週刊エコノミストに2008年から14年連載したエッセイから111本抜粋したもの。科学雑誌に載った論文を元ネタに東大薬学部教授で脳・AIの専門医の視点で話題を提供しています。2021年独キール大学クラウゼ・キョウ博士は北欧ラトビアの遺跡から世界最古のペスト菌を発見した。DNAの由来から起源は7000年前にまで遡ると推定した。ただその頃の感染力は低く、変異と共に強毒化し、数千年後に人類に甚大な被害をもたらしたらしい。ペストは現在も年間数百人が感染し、死亡率は30%もあるらしい。新型コロナも変異し続けるのかな。
2022/02/21
本詠み人
初読の著者さん。過去14年間の『週刊エコノミスト』に掲載されてきたエッセイをテーマごとにまとめ直したものなので、新旧バラバラです。あとから判明したことは書き足してあります。脳の話がとても幅広くエビデンスがきちんと示されているのもいい。並体癒合・ERATO池谷脳AI融合プロジェクト・公正世界仮説・DNAシーケンサー・遺伝子組み換え蚊・クロエ法などなど、脳や遺伝子研究・AI・医療分野で知らない話が盛りだくさん!まるで未来社会の話のようで興味深い内容です✨
2022/08/09
スリカータ
14年間の連載を纏めた本。とても興味深く読んだ。一つ一つが短いので、ポイントが絞られて覚えやすい。家族と団欒の話題にもなった。脳の報酬系、やり甲斐や達成感など喜びを感じるのは人間だけではなく、実験動物のネズミにさえある。しかし、猫にはない。面白いなぁ!他には、AIによる悩み相談も興味深い。
2022/03/13
チャー
脳科学者の著者が雑誌のコラムを一冊にまとめた本。おおよその記事が見開き2ページで完結しているが、ほぼ記載当時の研究論文を引用して書かれており興味深い。著者の研究者として実験事実を重んじ巷にあふれる噂に注意する見解が所々に示されておりなるほどと思う。正しいことを見極めることを怠らない重要性を再認識。遺伝子組み換え技術等、普段接しない分野で新たに知ることも多く勉強になった。科学的な正しさと社会的な正しさは異なるという指摘や、データが正しくとも感情が時には優先されるという事実はは、深く考えさせられる。
2023/02/06
treveste
著者の専門である脳科学のお話ではなく、脳科学者の視点をベースに世情やさまざまなトピックをつづったエッセイ集。ひとつのテーマが見開き2ページにまとめられており、いつでもどこからでも、雑誌感覚で気楽に読めて、面白い話のネタ集めにもなる。一方で、専門的な内容を期待すると、少し物足りなさが残るかもしれない。
2023/08/30
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