世界文学への招待〔新訂〕 (放送大学教材 2621)
世界文学への招待〔新訂〕 (放送大学教材 2621) / 感想・レビュー
夜間飛行
バルトの《作者の死》がとっくに乗り越えられたのも知らなかった時代遅れの私だが、読みたい本が増え、平穏な日常が脅かされて困っている(笑)。「異邦人」に反撥したダーウドのもう一つの異邦人、ウエルベックやサンサールの描く幻滅と退廃(の裏にある慰めや希望)、共感と寓話の破壊者クッツェー、詩の《形なき形》を追求したヒーニー、根の喪失を足場に《小さな歴史》を奪還したクレオールの作家達…刺激的な話を通じて世界文学の山脈に〝招待〟してもらえるのが本書の効用(または毒)なのだ。TVではインタビューや自作朗読もあり愉しめた。
2022/10/07
Úplněk
大江健三郎とアンナツィマを取り上げて、作中の引用を作家と作家の「精神」の共鳴ととらえる考え方が面白かった。間テキスト性を織り込むことで、行間を広げることができるのだと思った。
2022/07/13
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