アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実 (「THE BETRAYAL OF ANNE FRANK」邦訳版)
アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実 (「THE BETRAYAL OF ANNE FRANK」邦訳版)
- 作家
- 出版社
- ハーパーコリンズ・ジャパン
- 発売日
- 2022-02-16
- ISBN
- 9784596319272
アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実 (「THE BETRAYAL OF ANNE FRANK」邦訳版) / 感想・レビュー
泰然
誰もが知る結末を彼女は知らない。元FBI捜査官の率いるコールドケース・チームが歴史的迷宮入事件を徹底検証した迫真のルポ。様々なスペシャリストと共に文献調査、法言語学・科学鑑定、インタビュー等による捜査の果てに読者は残酷な事実を突きつけられる。密告者の正体はわかってもアンネは帰ってこない。悲惨な時代のなかで悪夢のジレンマに陥るのは他人事ではないし、人類の背負う弱さだ。「人間の本性はやっぱり善なのだと私は今でも信じている」。決して許されることでなく、決して理解できることでない事実を前にキティは何と言うだろう。
2022/06/27
ぐうぐう
そもそも、フランク一家が隠れ家に潜んでいると密告した人物を今更特定して、一体何になるのか、という素朴な疑問がある。その疑問にコールドケース・チーム(密告者を探し出すことを目的とした彼らの、それがチーム名だ)は「ファシズムの芽を野放しにしておくと世間に広がっていくという単純な教訓を、人々は忘れてしまっている」と前置きし、「自分たちを保護してくれるはずの社会制度を人々が信用できなくなったとき、何が起きるのか? 正しき行動の根本をなし、それを保護するはずの基本的な法律が崩壊したとき、何が起きるのか?(つづく)
2022/04/15
つちのこ
一字一句読み込むスタイルなので、470頁の大冊はしんどかった。その割に「やっぱりなぁ…」で終わってしまった結論が歯がゆい。アンネ・フランクの隠れ家を密告したのは誰なのか…という謎を現代の専門家チームによって多方面から調査し、核心に迫っていくプロセスは執念の見せ場ともいえるが、証人のほとんどが没し、事件が風化している現状ではその努力を確証につなげることができず憶測に留まってしまう。これが歯がゆいのだ。78年前の真実の解明に辿り着けることができるのは、これからもこの先もまったくの偶然でしかないだろうと思う。
2022/08/16
コニコ@共楽
『アンネの日記』を読書会で取り上げてから、アンネ関連の本をいろいろ手に取ってみた。その中でも、一番読むのに時間がかかったのがこの本。迷宮入りと思われた秘密が78年目に公にされた重みを感じずにはいられなかった。アンネたちの隠れ家が摘発された当時のオランダは、ユダヤ人だけでなく、すべての人が狡猾なシステムの中で、命の取引をしていたことがつづられている。”ほかの者を品物扱いし、その男もしくは女に死の運命が降りかかったとしても自分の責任ではないと思える能力が、人間には備わっているからだろう。”という文が刺さる。
2023/02/03
星落秋風五丈原
アンネ・フランクを含めたフランク一家を密告したのは誰かをコールドケースチームが探っていく。確かにコールドケースですね。そして驚きの犯人。
2022/03/21
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