ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS)
ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS) / 感想・レビュー
W-G
堪能した。最後の方でマローンが自己正当化くさい独白かますのだけは少し株を下げてしまったけれども、下巻に入って展開もスピードアップし、色々な思惑が錯綜してきて、本当に一気読みだった。久々の濃くて重たい警察小説。こういうタイプの主人公はやはり日本人ではハマラない。特にFBIサイドの動きが面白く、人の気も知らず好きなようにかき回して、一瞬で手のひら返すその様が、物語を一層スリリングにしてくれる。『犬の力』『カルテル』を読まずにこの作品から入ったのも良かったかも。遡って次は『犬の力』に行く。
2018/04/20
ヴェネツィア
「犬の力』でもそうであったが、本書もまたマチズモが横溢する。ただし、今回のそれは悲しくも汚れたマチズモである。最初はささいな一歩であったかもしれない。しかし、それがしだいに雪崩をうったように広がり崩壊してゆく。「デニス・マローンの望みはひとつだった。いいお巡りになること、ただそれだけだった」結びのの一文はなんとも哀切に響く。物語の最初に還れば、本書は多くの殉職警官たちに捧げられていた。一見、マローンの行為はそれを裏切るようでもあるが、警官たちの抱える事実の限りない重みを本書は描いたのだろう。
2024/03/22
starbro
上下巻、1000P弱、完読しました。ノンフィクションのような悪徳警官腐敗の物語、かなりリアリティがあります。以前に比べてNYの治安が良くなったと報道されていますが、日本とは、かなりのギャップがあります。原住民の土地を強奪し、成立した世界最強のならず者国家、銃も麻薬もギャングも悪徳警官も撲滅出来そうにありません。何と言っても大統領がジャイアンではねぇ(笑)
2018/06/11
遥かなる想い
下巻に入り、トーレス刑事の自殺から 物語は 加速する。麻薬と暴力の街 ニューヨークでの危険な賭けが続く… マローンは何をしようと しているのか? 警察官の矜持のようなものが ほとばしる。 FBI,マフィアの思惑が 見え隠れする中で、 マローンが行き着いたところは… 裏切りと 殺戮の果てに 行き着いたところは、 哀しいほど 誇りに満ちた、生き方だった。
2018/12/31
夢追人009
久し振りの海外ミステリー大長編の読書に正直言って相当に苦戦しました。ギャングやマフィアから封筒に入れた賄賂を平然と受け取る警官達にムカついて怒り心頭に発しましたが、漸く上巻373頁から流れが変わり「驕れる者久しからず」の展開に一気に目が覚めてグイグイと読書のペースがUPしましたね。マローンはトーレスみたいに拳銃を咥えて引き金を弾く勇気はなかったけれど、麻薬の始末と勝ち馬に乗る嘗ての己のチームの如き悪徳警官どもを成敗した活躍は立派でしたし、麻薬王ドミ公ペーナを殺した真実の動機を知って少しだけ見直しましたね。
2018/09/23
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