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陽炎の市 (ハーパーBOOKS)

陽炎の市 (ハーパーBOOKS)

陽炎の市 (ハーパーBOOKS)

作家
ドン・ウィンズロウ
田口俊樹
出版社
ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日
2023-06-15
ISBN
9784596774767
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陽炎の市 (ハーパーBOOKS) / 感想・レビュー

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W-G

流浪の末にハリウッドに辿り着くダニー一行。華やかな虚業の裏側に食い込んで力をつけていく流れかな?と期待していたのに、お母さんの家でニートしながら時々、強盗やたかり屋に精を出しているだけにも見えて、イマイチ大物に成りきれない。地元のモレッティファミリーのその後がお得意の群像劇で描かれ、キャシーの意外な顛末やピーター夫妻の最期と、血の匂いは主にそちらで濃い。『犬の力』シリーズと比較すると、暴力や殺戮の描写が圧倒的に少なく、どこか気の抜けた進行であり、これが最終作での爆発のための溜めであればいいのだが。

2023/07/01

のぶ

ダニー・ライアン三部作の第二弾。感想を一言で言えば、ウィンズロウらしいハードでストレートなギャング小説で圧倒的な面白さに満ちている。一人の女性を巡るマフィア同士の抗争に巻き込まれたダニー・ライアンが仲間と共に自由を求め、逃亡し、家族のために全うな人生を送ろうともがき苦しむ。やっと掴んだと思った幸せな時は砂漠の陽炎の如く消えていくが、それでもダニーは諦めずに安息の時を追い求める。今回はテーマが映画製作に関わる作品なので、前作のような派手さはなく、比較的静かな雰囲気で続いていく。第三弾に期待が高まる。

2023/07/01

タツ フカガワ

ダニーは1歳半の息子イアンと父マーティ、それにわずかな仲間たちと西を目指して逃亡。絶縁状態だったラスヴェガスの母親マデリーンの許に一時身を隠し、新たな生き方を模索する。そのころハリウッドでは、ダニーが関わった抗争事件の映画化が進んでいた。読みどころはいろいろあるけれど、なんといっても“まっとうに生きられるほど稼いでも、まっとうに生きられない男たち”の危うい生き方にぐいぐい引き込まれる。ああ面白い! 次はいよいよ最終巻。

2024/07/23

harass

三部作の二作目。破れた主人公たちは散り散りになり逃亡。司法取引などで一段落する。潜伏先でそれぞれの生活と野心。自分たちの戦いを映画にする話があり、制作に主人公たちが絡むのだが… しかし迂闊すぎるだろ。アマゾンのレビュではあまり良い評価ではなかったが、これはこれで楽しめた。まあ一作目に比べると間延びしているのは確かだが。乗りに乗った筆致とストーリーに唸りつつページを捲る。実に読ませる作家だ。おすすめ。次の三作目でこの作家は筆を折るとのこと。

2023/07/24

stobe1904

【ダニー・ライアンシリーズ②】前作でロードアイランドから西へ逃亡したダニーたちがたどり着いたのはカリフォルニアのサンディエゴ。連邦捜査機関やロードアイランドの旧敵から追われる中、目立たないよう行動するダニーたちだが…。『犬の力』シリーズのような圧倒的な世界観に飲み込まれるような没入感はないが、どうにもダニーの行く末が気になってしょうがないのがこのシリーズの魅力かな?次作の『終の市』はとても楽しみだが、ウィンズロウの最終作となってしまうのが、なんとも寂しい。★★★★★

2024/06/30

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