蔵〈下〉
蔵〈下〉 / 感想・レビュー
じゅき
20年ぶりの再読であっても上巻・下巻ともぐいぐい引き込まれあっという間に読了。読み手のこちらが登場人物の烈・佐穂、賀穂、意造、どのたちいちで読んでも 強さ・弱さ・やさしさ・悲しさ いろんな感情を受けながら読めた1冊。ぐっときました。雪深い新潟の冬を超え春を待ちわびる気持ち、新潟弁が違和感なく表現されているとおもいます。
2015/02/12
百太
面白かったです。 この時代にしては、恵まれた環境と人兼関係ではないかと感じます。 だからこそ、読んで楽しめたお話でした。
2016/07/07
パッパカ
家庭の事情、身体的ハンデを物ともせず、むしろ前進へのバネに変えて生きる強い女性の物語。宮尾さん自身が、きっと強い精神力と繊細な感性を持ち合わせた人だったのでしょう。新潟も日本酒も大好きな私が、今までで一番感銘を受けた作品です。
2015/03/29
湖都
とてもいじらしくてけなげなヒロインだった。全盲になっても父を励まして家業を続け、愛しい人に恋をして純愛を貫いた。烈の言うことはいちいちもっともで、頭が良く、人を見る「目」も持つ。本編の最後は「めでたしめでたし」で締めたいような幸せな終わり方であった。そして作者付記は、「お姫様はずっと幸せに暮らしましたとさ」とはいかない現実(フィクションだけど)の烈の生涯をわずか数ページで描いている。ここで著した烈の後半生もすべて含めたら、NHKで大河ドラマになると思う。。
2019/07/05
里季
強い女性を書かせたら、宮尾氏が一番だと思う。雪深い越後の造り酒屋の娘に生まれた烈。視力をだんだん失いながらも、強くたくましく生きていく。越後の方言がいい。そして、父親が読んで聞かせる、裏日本の厳しい冬の様子を著した「北越雪譜」が印象的だった。
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