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夏の災厄

夏の災厄

夏の災厄

作家
篠田節子
出版社
毎日新聞出版
発売日
1995-03-01
ISBN
9784620105222
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夏の災厄 / 感想・レビュー

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シナモン

東京近郊の昭川市で致死率の高い謎の病気が発生。医師は日本脳炎という判断を下し対策が講じられていくが看護師の房代は疑問を抱いていた…。25年前の小説だけど今のコロナの状況を思わせる内容にぐいぐい引き込まれた。ワクチン接種をめぐる描写なんてこれ、今のことでしょって感じ。謎の病気の発生源を探っていくあたりはおぞましくてなんとも言えず。役所の人は今も昔も黙々と仕事を頑張ってる。あとがきの「文句を言われることはあっても感謝されることはなく、落ち度を指摘されても成果を評価されることはなく…」の言葉が沁みた。

2021/11/04

ばりぼー

20年ぶりの再読。埼玉県の地方都市で、致命率30%の劇症型日本脳炎が発生するというパンデミックを描いたもの。普通この手のパニック小説だと、バタバタと犠牲者が増えて、何千何万もの死者を出したがりますが、「遂に50人目の死者が…」とぐっと抑えて現実的。法令に縛られて腰の重い行政の怠慢や責任逃れの事なかれ主義が執拗に描かれ、かなり真に迫っています。治安維持のため町内会で自警団を作っても、葬儀続きで冠婚葬祭費がかさみ予算不足だなんて(笑)。エボラ出血熱やデング熱の話題も登場、医学的な情報も満載で説得力十分です。

2015/09/04

クリママ

東京近郊で起きたエピデミック。プロローグの後、最初から飛ばしている。孫育てが終わりパートタイマーで保健センターの看護婦に復職した50代のおばさん(夫が食事の支度をしてくれている)、市役所から出向している(早く戻りたい)独身の職員、医師会から白眼視されている医師らが、前向きに、後ろ向きにがんばる。大学病院は聖域なのか。20年以上前の作品だが古さは感じさせず、一地域のことと軽視し後手後手に回る行政、身勝手な市民のアホさぶりにも重点が置かれ、現実感がある。SARS、デング熱、そしてはしか、今は大丈夫か。

2018/05/16

ミロリ

現実的なバイオハザード。爆発的な感染でバタバタ死亡して、その中でいかに生き残るか!のような話が好きな自分には物足りないところがありました。しかし原因不明の感染症は気持ち悪い。未知の病気だとワクチンも何かと都合が悪そうだし厄介。最近割と色々な病気が世界各地で起こっていて誰が何をしでかすか分からない世の中になりつつあるので、できるだけ身を守っていこうと思います。蚊の季節に読めてよかったです。蚊といえば日本脳炎!と言う親でしたが、ようやく脳炎のことが分かり納得しました。

2015/08/12

あっちゃん

ウィルスパニックもの!かなり、小規模な辺りで収まっているので、話が広がり過ぎという事は無いけど、逆にラストに盛り上がりがないのが少し難!でも、一般市民目線で共感は持てる(笑)

2015/07/04

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