コンタクト・ゾーン
コンタクト・ゾーン / 感想・レビュー
ねこまんま
500ページ越え、それも2段。辞書のようなボリュームに怯んでしまいそうだが、とても面白くあっという間に読めた。最初は生意気な女たちにしか見えないんだけれど、サバイバルが始まってからの逞しいこと!内戦の南国で、宗教や習慣が複雑に絡み合う中、それぞれの得意分野を生かして生き延びる道を探します。育ちも性格も職業も違い、30半ばで独身で、気が付けばこの3人しか残っていなかった旅行仲間、決して仲良こよしではないドライな関係の女たちの変貌が読んでいて気持ちよかったです。
2015/06/28
James Hayashi
30代半ばの未婚女性たちが南の島へバカンスに訪れるが、その国の内紛へ巻き込まれていく。最初はミーハーな感じで自分探しを求めていたようだが、中盤からは環境に順応というか、強く生き抜いていく日本女性たちを見える。上下段の500ページ越えは長すぎると思うが、南国の雰囲気、宗教、紛争などよく書けていると思う。キャラ立ちした女性を書くのが上手い著者。
2015/04/19
tama
図書館の書棚から とてもとてもとてもよかった! これ、南海冒険小説なんだなぁ。これを読む前に、篠田さんの「弥勒」を先に読んでおくと更に好いかと。ジャレドダイヤモンドの「昨日までの世界」も先に読んでおくと南の島の村同士の付き合い方の予習になります。村長さん・長老会の皆さん、かっこいいです。なによりも村のおばちゃんたちの楽観的現実主義。「宇宙人でも泊めてやる」的行動があちこちに見られいい気分になります。
2013/12/14
nyangle
内戦状態の小国にとらわれた日本人が生き延びる話、という点では『弥勒』と同じ。なんだけど、中身が全然別物なので、これはこれで面白かったです。部族社会の成り立ちにしろ、武装集団の愚かさにしろ、政権をとった者の不甲斐なさにしろ、なんだかいかにもそれらしくて、まるで世界史の一部を見ているかのような読書体験。魅力的な、あるいは興味深い人物がたくさん出てくるのも本書の魅力。これ、もっと多くの人に読まれていいと思うんだけどなぁ。
2018/06/20
米倉 涼子
★★☆☆☆実際にある島を舞台にしたお話かと思いきや、架空の世界だったのね。ググりまくった時間を返せ!(笑)しかし、バヤンだのタパンだのタンリだの…地名や人名が三文字だらけで訳が分からなくなったので、あらすじを追うことに終始。疑問なのが、フィクションではあるものの、日本で普通に暮らしていた女性が、食料も水も道具も無い中、言葉も分からず知り合いもいない孤島、銃弾が飛び交う壮絶な世界を誰一人欠ける事無く生き延びる設定があり得ないし、単調な生活と戦闘シーンが続き収拾がつかず、強引な終わらせ方に感じてしまった。
2023/01/09
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