虹の彼方
虹の彼方 / 感想・レビュー
B-Beat
◎読メにて直木賞受賞作家さんと知り読んでみる。読み易い明晰な文章、何々、有名女優と人気作家のW不倫?あ、これ新聞小説なんだ、とか思いながらページを捲ってゆく。途中こんな感じがいわゆるザ・恋愛小説とか思いつつも主人公の特に作家の心情や心根の部分になんとも言えない違和感が。さらに3歳の双子のそれも病弱な自分の娘達に対する心情の発露部分には嫌悪感さえ感じてしまった。少なくとも自分にとっては映画寅さんのセリフで言えば「それを言っちゃあ、お終いよ」的言い回しのオンパレード。この手の作品に次ぎはなし。そんな読後感。
2014/06/26
ぐうぐう
48歳の女優・高木志摩子と、43歳の作家・奥平正臣は恋に落ちる。それぞれ家庭がある二人の逃避行を描く『虹の彼方』は、小池真理子が描く以上、通俗的な不倫劇とは当然ならない。それでいて小説にありがちな観念的な展開によってファンタジックに恋を純化することもしない。そこが小池真理子という作家の凄さだ。様々なものを犠牲にし、たくさんの人を傷付け、それでも引き返せない狂った恋を、小池はこれでもかと徹底的に描く。当事者である二人の男女は、狂いながら自分達の恋の犠牲になっているモノ達にもきちんと想いを馳せる。(つづく)
2016/12/25
星落秋風五丈原
「生きたい」と思った。愛したいし、愛されたかった。酔い、走り、叫び、歌い、泣き、求め続けていたかった—女優・高木志摩子と、作家・奥寺正臣。共に家庭を持つ身であるふたりがおちた恋。それは、とどまることのない恋だった−。「抗う恋」の先に射す光を描く大長編
2006/05/25
なつ
双方の離婚が成立し、結婚したとして、その後もこの情熱は続くのだろうかと思った。どんな不貞行為だろうと、読んで感じたのは「今」で「未来」が感じられなかった。誰かに溺れて恋に落ちるってこういうことなんだろうな、と思いつつも、やっぱりドロドロではなく「綺麗」に見えた。
2016/05/22
matsu04
48歳美貌の女優と43歳人気男性作家のW不倫物語。ドロドロで濃密な性愛描写は渡辺淳一もビックリかも。終盤で少し気持ちを持っていかれそうになったものの、やはりこの二人にはどうにも共感できないのだった。亭主や妻子が気の毒でならない。それにしても長かった。ふう。
2024/06/08
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