横道世之介
横道世之介 / 感想・レビュー
遥かなる想い
心が洗われるような「青春小説」だった。 「世之介」のキャラが、そして登場人物すべてのキャラが よく、東京での新生活が、そして一つ一つ経験値を積んでいく様が、 新鮮に読めるのが楽しい。それは、祥子さん、加藤君などと過ごした 日々が、もしかしたら誰もが経験する青春の日々と似ているからかもしれない。時折、挿入される友の、その後の 人生と世之介との思い出の対比が、ひどく新鮮で、各自が自分の青春を思い出す起点になっている…そんな友と青春の一時期を共有できた喜びを かみしめることができる…そんな気がする物語だった。
2014/08/14
射手座の天使あきちゃん
長崎出身、超マイペースで、ぐうたらで、そのくせ憎めない大学一回生の世之介が繰り広げる、なんと言うこともない一年間を綴った物語、なごみますぅ♪ 途中、スリットから覗くように関係した人たちのその後が書かれており、なんとなく懐かしむ気分にさせられます。 なんといっても、祥子ちゃん「天然お嬢様キャラ」際立ってました、最高! (^_^)v
2011/06/03
とら
まず第一声、「横道世之介って人間がいるのかよっ!」まさかこんな忙しい時期にそこそこページ数のあるこの本を一気読みしてしまうとは…時間はもちろん圧迫されてしまって後にかかる負担半端ないけれど、後悔は微塵も無いんだな~これが(笑)色んなきっかけが重なって読みたかったこの横道世之介。まあただの青春群像劇と言ってしまえばそうなるけど、ただの一人の人間の大学時代の話だけど、会ったことで得をしたような気持ちになる人だって確実にいるのだ。こんな風に思われるって本当に凄い。読後感爽やかで晴れやかで清々しい!世之介最高!
2013/05/13
風眠
バブルの80年代と20年後を行き来しながら、世之介をめぐる人々が「学生時代、横道ってやつがいたなあ」と思い出す形式で書かれている。世之介と同じサークルだった倉持と唯ができちゃった結婚して退学、20年後とても幸せな様子にほっとしたり、学生時代は浮世離れした超お嬢様だった祥子がボートピープルに遭遇したことで影響を受け、20年後はアフリカで難民支援をしていたり等、ごく普通の学生だった世之介が知らず知らず誰かの人生に影響を与えている。きっと誰にでもあること、だから、自分が生きた証を信じてみたくなる物語。
2013/01/06
ヒロ@いつも心に太陽を!
ピロティのベンチに仰向けになり空をぼーっと眺めていたら、いつのまにかまわりの声が聞こえなくなって自分がそのまま空に落ちていくような感覚に捕われてびくっとなったことが私にもある。その時に隣で紙パックのヨーグルト飲んでたゼミ仲間のこととか、しょーもないけど密度の濃かった大学時代を思い出した。なんかね、世之介の一年を追いかけてお腹いっぱい。私たちはいろんな人と出会って別れて、知らずに影響しあって生きてるんだなぁ。私もふと誰かに思い出してもらえてたらいいな。最後の写真と手紙は、ずるい。
2010/06/20
感想・レビューをもっと見る