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波羅蜜

波羅蜜

波羅蜜

作家
藤沢周
出版社
毎日新聞社
発売日
2010-03-20
ISBN
9784620107523
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波羅蜜 / 感想・レビュー

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hit4papa

社会的にステータスのある自殺志願者たちと関わりを持った葬儀ディレクターの物語です。自殺者志願者たちがたむろする「ダビデの心臓」とは何か、が中心…とはならず、ご遺体の受け渡しに関して、葬儀屋と病院がどのように癒着しているのか、に興味を持っていかれました。様々な業界のアンダーグラウンドな一面を赤裸々に描くのが著者の持ち味でしょうか。死と生の狭間が緊迫するほど、愉悦を感じるというのは分からなくもありませんが、全体的にもやっとした感じから抜けきれませんでした。サスペンス?ホラー?不可思議系?と戸惑いが続きます。

2022/08/19

ぴよ

生と死の狭間にいる、その瞬間にこそ至上の快楽を感じるという倒錯的なおじさま達の集まり…It's so crazy!確かに、「死」というものに私達人間は、生きている限り触れられない訳で。そう考えると、「死」に対して底知れない恐怖を感じると共に、一種の欲求が生まれる事も頷ける。つまりは「体験してみたい」。けれども「死」を体験する=生きてはいられない、一度きり。そんなハイリスク謎リターン。ちなみに「感謝だッ」が唯一の笑いどころかな。

2010/08/16

sibafu

葬儀屋に務め葬儀ディレクターとして看護師と寝て死体を「転が」して葬式を開いて生活する主人公の倉木。相変わらず職業特有の描写にリアリティがあって感心する。死と近い職業の話にも関わらず、読み終わると死からの距離を感じてしまう。それは、葬式がごてごてに仏教的に飾られることで物語化してしまうことや、主人公の死体への接し方があまりにモノ的であったり、主人公が死を楽観的に見ていて死から遠い存在だから、なのかもしれない。終始悪趣味な物語で、装丁も悪趣味さが出ていて良い。ただ、売れる見た目とは思えないけど。面白い。

2013/02/28

とろろ

葬儀プロデューサーの倉木は、看護師にお金を渡しさらに寝る事で遺体を融通してもらっていた。ある時、倉木の前に自分の葬儀をあげてほしいと執拗に付きまとう男…紺野が現れ奇妙な組織の取引に巻き込まれていく。 長編で読了まで結構時間がかかってしまった。印象に残ったのは、作品の舞台は夏真っ盛りなのにどこか冷え冷えした雰囲気。職業である葬儀にも死者にも関係を持つ女にも冷たく淡々とした倉木。でも終盤になるにつれて熱を帯びてきたなぁ。しだいに現実と幻視が混ざりあい、結局最後は倉木は生者なのか死者なのかよく分からなかった。

2014/07/04

るんるん

元気な時に読まないと気がめいりそうです。面白さは微妙。

2010/08/30

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