ビリジアン
ビリジアン / 感想・レビュー
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
☆5.0 ずっと、タイトル「ビジリアン」だと思ってた。 「ビジリアン」と私のPCに入力したら 「美尻庵」という変換候補が出現してなんじゃこれ。 って、よく見たら『ビリジアン』ですやん。 ちなみに「ビリジアン」ってちょっと濃い目の緑色のことみたい。 というわけで、色が登場する短篇集。 蛇足だけど、あのお笑い芸人の「小籔千豊」さんが、 以前「ビリジアン」というお笑いコンビを結成していたみたい。 それで、だから何なの、って話だけど…
2021/06/24
なゆ
これは柴崎さんにしか書けない小説だなあ。ここまで潔くぷつぷつと、しかも順番にではなくバラバラに、何が起こるでもない日常のひとコマひとコマを並べて、小説にしてしまうのは。大阪に住む山田解という女の子の、10歳から19歳までの間の記憶の断片が20の短編になっている。回想するような文章のせいか彼女のアルバムを眺めながら、一枚一枚の写真の話を聞かされているような気分がした。タイトルも含め、黄色や赤や白など、色の描写が印象的に使われている。十一歳の解が、初めて一人で渡し船に乗る話「船」が、淡々としすぎてて好き。
2015/01/05
Shoji
私、こういうの大好きです。ある女の子の、小学生から大学受験の頃までに起った日常の一コマが淡々と紡がれています。爆竹を鳴らしたり、アイスを食べたり、ケンカして鼻血出したり。本当に平板な物語なんです。でも、感性がいい。若いっていいなと思った。高校生の頃に戻りたいと思いました。すみません、年がいもなく、お恥ずかしい。
2020/08/20
いちろく
紹介していただいた本。時系列もバラバラ、文章も短く、状況描写ばかりで情報量も少ない。それなのに、いや、それだからこそ、最近読んできた未登録の日常系小説の多くを置き去りにする様な清々しさがある短編集だった。特に、日常の何気ない一コマを切り取った様な場面の描かれ方が魅力的。イメージが容易な点も素敵だ。小説はこんなに自由で良いのだ、と思い出させてくれる内容だった。今の私には心地よかった。無駄に情報量の多い小説を読み疲れた人に、オススメしたくなる小説。紹介感謝!
2018/06/30
巨峰
大阪の海の見えない海辺の町を舞台にした一人の女の子の小学生から高校生までの日常の断片を描いた短編集。作者とは年代も近いし、生まれ育った場所も近い。あの頃近いようで遠かった同世代の女の子はこんな生活をして、こんなふうに感じていたのかととてもとても興味深い。ああこの場所はここだと、わかったりするのも面白い。キリンプラザも扇町ミュージアムスクエアももう無くなったなあ
2014/04/27
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