悲嘆の門(下)
悲嘆の門(下) / 感想・レビュー
starbro
上下巻800P一気読みしました。現実のネットとリアルの危ういミステリ世界とファンタジーの要素が融合して独特の宮部ワールドを形成しています。「英雄の書」を読んでいなくても十分楽しめると思います。今回も様々な謎を残していますが、小野不由美の「十二国記」のような壮大な世界を宮部みゆきも構想しているのでしょうか?
2015/02/18
にいにい
物語の持つ力、「発信された言葉は、その人の内部にも蓄積する。」「積もった言葉の重みは、いつかその発信者自身を変えてゆく。」が印象的。肝に銘じて言葉を、物語を発したい。私にはどんな蓄積がされ、どんな影をしているだろう?過去を乗り越えようとする者の影が、周りの温かい言葉で溶ければ良いのだけど。真菜ちゃんを包み込む思いやりのエピソードがラストに繋がったのがいい~。気づかずに積んでしまう業、それが、「自分は、悪くない、あいつが、周りが悪いんだ」という論理を生み、道具扱いする事例が沢山出て来た話だっけど、楽しめた。
2016/01/24
まちゃ
最期の孝太郎とユーリのやりとりにウルっときました。ミステリーあり、ファンタジーありの宮部ワールドを堪能しました。 憧れていた山科鮎子の死で連続殺人犯の追及にのめり込み、人間の渇望の醜さに触れ、戦士ガラの力を借りて犯人を狩る孝太郎。 孝太郎と都築の捜査で日本中を震撼させた広域連続殺人事件がそれぞれの被害者の身近な人物による個別の殺人事件と明らかになっていく。 後半では人間の渇望を集め、<無名の地>の<悲嘆の門>を目指す戦士ガラの目的が明らかになる。 壮大な<言葉>の物語でした。
2015/05/16
ナイスネイチャ
図書館本。上巻読了から結構経っていたので思い出すのに苦労しました。ファンタジーというよりホラー小説。人間の闇の部分が怖すぎ!「英雄の書」も未読なので読んでみたいです。
2016/01/23
文庫フリーク@灯れ松明の火
ガラに通じる闇の左目得たことで、孝太郎には<言葉>の形・動き・色が見えるようになる。憧れだった鮎子社長を連続殺人犯の犯行に見せかけ、殺害した犯人をガラの大鎌の前に差出し、正義という名の復讐遂げる孝太郎。「ここで手を引け」ガラの言葉に従わず、次々と犯人の<渇望>を狩る孝太郎。<渇望>咀嚼した大鎌はその都度強力に-ガラの目指すのは、禁を犯し<無名の地>へ追放された息子・オーゾ取り戻すため、「悲嘆の門」守護する門番倒す力を得ること。「その門くぐる者、すべての希望を捨てよ」ダンテの「神曲」の如く評される門と→
2015/02/01
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