マチネの終わりに
マチネの終わりに / 感想・レビュー
starbro
図書館の予約に大幅に出遅れてようやく読めました。出版されて1年4か月経過しているので、新作ハンターとして失格です。評判が良さそうなので、久々の平野啓一郎作品を期待して読んだのですが、大人のお洒落な恋愛事情といった感じで、あまり感銘しませんでした。アラフォーだと経験値からもっと素敵な恋愛が出来そうな気もしますが・・・
2017/08/03
Yunemo
5年半かけて3度の出会いで、こんなにも静かに、長きに亘り、揺れ惑う炎が燃え続けていた情景、どう捉えていいのか、ただ戸惑いばかり。未来は常に過去を変えている、変えられる、変わってしまう。この表現の正当性が何となく自身の中で消化できることに不思議感。抽象論も含めいろんな要素が詰め込まれています。ただ孤独というのが幅広い意味での世界への影響力の欠如、一番身近には男と女が含まれます。互いに慮るばかりにすれ違いの連続。あくまで日本的な心情の積み重ねに心惹かれます。人生の折り返しの年齢でのこの切なさ、感じ入って読了。
2016/06/19
ウッディ
ギタリストの蒔田は、自身のコンサートの打ち上げで国際ジャーナリストの洋子と出会い、お互いに惹かれあう。遠距離、ギタリストとしてのスランプ、テロによるPTSDなどの数々の障害を克服して、交わるかに思われた二人の人生は運命のいたずらで引き裂かれて行く。久々に読んだ大人の恋愛小説でした。ゆっくりと育んだ愛が、一通のメールを機に壊されてしまう不条理に歯がゆさを想いながらの読書でした。ジャリーラと三人で過ごした夜のシーン、セントラルパークでの再会後、二人はどうなるのかという余韻を残したラストなど美しい物語でした。
2018/06/01
風眠
「未来は常に過去を変えている」クラシックギタリストの蒔野が、国際ジャーナリストの洋子に語った言葉は、実感を伴って私の胸にも響く。その時には、これ以上の関係にはなれないだろうと思っていた人。長い月日を過ごし互いに心寄せていても、ふたをして閉じ込めていた想い。物理的に離れてしまうというきっかけがなければ、きっと今も想いを言わずにいただろう。ニューヨークでの「マチネの終わり」に、再会した蒔野と洋子。ふたりの未来は過去を変えるだろうか。終わるかもしれない、終われないかもしれない。切なさが尾を引くラストが美しい。
2016/09/22
遥かなる想い
平野啓一郎が描く大人の恋の物語。 現在は過去を変えてくれるのか.. 抑え気味の筆致と 清冽な心の交流が心地よい。 蒔野聡史と 小峰洋子の恋..すれ違いが 二人の人生を変えていく..「マチネ」とは 午後の演奏会らしいが.. 最後は心が和む、上質な恋の物語だった。
2016/11/03
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