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神域 下

神域 下

神域 下

作家
真山仁
出版社
毎日新聞出版
発売日
2020-02-29
ISBN
9784620108483
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神域 下 / 感想・レビュー

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starbro

上下巻、550頁、完読しました。認知症の深刻さを考えると十分ありそうなストーリーでした。マッド・サイエンテストの暴走が医療を進歩させることは事実(日本の731部隊等)だと思いますが、コロナウィルスのワクチンも簡単に作れない現状を考えるとまだ先の未来の気がします。それよりも尊厳(安楽)死の早期法整備を希望します。 https://books.bunshun.jp/articles/-/5338

2020/05/24

Yunemo

下巻になったら、警察小説かと思わせるような、あまりに現実的になりすぎて。上巻から期待した展開とはちょっと違ってて。でもこの分野、ここまでが限界なのかも。副題のSANCTUARY、脳科学として、この域には入り込めないのかも。でも上巻から積み上げた意図がこの終わり方じゃ、欲求不満だけが残されて。唐突に、特定秘密保護法が適用されて、結局はうやむや感。今まであまり気にも留めてなかったけど、いろんな分野で突然に、その時代のトップの考え方によって適用されてしまうのか、という漠然とした不安感がしこりとなって残ります。

2020/04/26

まつうら

ぐずぐずと認可を引き延ばす厚労省が悪いのであって、患者を救いたい自分は正しいのだという篠塚たちを、勝手な思い上がりだと断ずるのは難しい。認知症に苦しむ患者とその家族から、無認可であることを承知の上でフェニックス7の投与を懇願されたら? それがもし自分だったらどうするだろうか? 篠塚や大友と同じ判断をするのではないかと思う。ピンピンコロリが理想と言われて久しいが、生きている間は健康で尊厳を保ちたいと思うことは人間の権利だ。決して老人のわがままではない。そんな著者の主張が聞こえてくる作品だ。

2023/01/22

クリママ

研究者の思い、出資家の思惑、そして、国益となるはずの研究のアメリカへの移行。政府系医療ベンチャー支援機構に招き入れられた麻井が「ハゲタカ」の鷲津を彷彿とさせたが、右往左往すあるばかりでこれといった活躍がなく、その他の人物についても誰も主役になりえない。着地点もよく見えない中での軟着陸。医療サスペンスでと警察ミステリーを両方楽しめたし、新しい医療の開発とその治験の難しさについて読むことができたが…

2022/11/19

かつて「二番目ではダメなんですか」発言で顰蹙をかった政治家がいたが、二番目に甘んじて国益を損なったらそれは国賊と言われても仕方ない。が、一番目になる為に「治験」を飛び越えて「人体実験」をしてしまったらアウトだ。でも、我が身になぞらえて認知症が消滅する、ただし脳溢血命を落とすのが明日か1ヶ月後かわからないと提示されて尚了承するかと言われたら、答えは出せないだろう。「創薬」を巡る政治家達の不毛な駆け引きと、研究者、そして事件を解明しようとする刑事達の駆け引きは、国家機密という鉄のカーテンに閉ざされる。

2020/05/24

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