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ブラック・チェンバー・ミュージック

ブラック・チェンバー・ミュージック

ブラック・チェンバー・ミュージック

作家
阿部和重
出版社
毎日新聞出版
発売日
2021-06-21
ISBN
9784620108544
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ブラック・チェンバー・ミュージック / 感想・レビュー

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starbro

阿部 和重は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。タイトルと表紙からピンク・フロイド的な音楽小説かと思いきや、伊坂幸太郎的、緩い国際謀略ラブストーリーでした。面白くなくはないですが、著者にはもっと高いレベルの作品を期待しています。 https://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-480.html

2021/07/05

ケイ

長いのに、もう少し、もう少し読もうとなってしまう。作者の語り口に引っ張られて本を置くタイミングがわからなくなっていた。金髪のカツラにマスクで黙々と作業するオンナがどうしても愛おしくなってしまう。古書店の店主とか、新潟の反社とか、怪しく怖い人ばかりなのに、憎めない。反社の人の理屈立てに感心したりもして。黒川博行氏の疫病神シリーズに町田康で味付けしたかんじなのよね。こういうの、たまんないわ。それと、横口健二と沢田龍介二人の名前を合わせるの、沢田研二みたいになるんだけど〜ってずっと気になってた。

2024/08/05

ぐうぐう

政治は遠くにある、と私達は思いがちだ。ましてや、国際政治や国家機密などとは無縁だと。本作は、トランプの隠し子(を称する男)と金正日が書いた(とされる)映画論文をめぐる謎を火種に、2018年の米朝首脳会談の舞台裏で国家間の丁々発止が繰り広がられる模様と、冴えない日本の中年男性と北朝鮮の女密使との淡い恋模様が隣同士に存在し、時に交錯、時に溶け合ったりする。男女は巨大過ぎる国際的陰謀に巻き込まれ、踊らされはするが、決して屈しない。(つづく)

2021/10/21

Y2K☮

七夕の夜に読了した珠玉のラブストーリー。北朝鮮のあの一族やドナルド・トランプが実名で登場する。著者の持ち味である社会の裏の生々しい描写も健在。軸は「ダ・ヴィンチ・コード」風の実話風なサスペンス冒険活劇だが、登場人物が敵も味方も頭に映像が浮かぶほど濃い(特に天知は過去最大級に強烈だった。タランティーノの映画に出てきそう)。伊坂幸太郎寄りのキャラ造形。「キャプテン・サンダーボルト」の共作を通じて学んだのかな。これを映画にするのはたぶんムリだけど小説ならできる。阿部和重が作家になってくれて本当に良かった。名著。

2021/07/07

あーびん

2段組500P弱のボリュームだが、最近の政治情勢をからめたスパイエンタメ要素が強くグイグイと頁が進む面白さ。金正日の書いた映画評論本が翻訳出版されていたとは知らなかった。noteで小説内にも部分的に出てくる「アルフレッド・ヒッチコック試論」を読みながらだったのでヒッチコック欲が高まる。しかし阿部和重作品って映像化されないな。本作も含め、とても映画的な作品ばかりだと思うのだけれど。

2021/09/18

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