ユートピアの冒険
ユートピアの冒険 / 感想・レビュー
HolySen
1968年前後の「第三世界革命」と思想を絡めることで、「マルクス葬送派」としての構造主義やポスト構造主義の思想の解説が分かりやすくなっている。グリュックスマン、ボードリヤール、ドゥルーズへの鮮やかな解説もさることながら、当時の社会や経済の情勢を絡めることで有機的な繋がりを以って(思想を社会と絡めて)マルクス以後の思想が理解できる。アナーキズムが好きにはなったけど、「革命」というユートピアがとても観念的なので、ある種のニヒリズムに陥っちゃうなあ。
2015/03/17
毒モナカジャンボ
『構造と力』に代表される日本のポストモダン思想受容史において決定的に欠落した86年革命の体験。グリュックスマンはヘーゲルとクラウゼヴィッツの戦争論を対比し、無秩序を秩序化しようとする前者的な革命のあり方を否定する。ボードリヤールのマルクス読み直しは、生産=労働至上主義から消費主義への転換を生み出し、労働価値説より記号化された差異のゲームとしての象徴価値を見出す。DGのアンテオイディプスにおける分子革命の理論。筆者は三者を否定、実存者として敬虔な心を重視する。革命はユートピアとして瞬間的に生きられる。
2020/06/24
西村修平(偽)
90年に出された本。マルクス主義批判から80年代のポストモダンの流行についての話が展開されている。カバ先生(笠井潔)と女子大生という対話形式の本なので簡単に読めるものだと想定していたが、結構難しかった。
2017/01/01
床ずれ
ポストモダン思想の人々がいかにマルクスを乗り越えていったのかを理解。にしても対話形式なのがいちいち鼻について読みにくい。
2015/08/14
もく
タハ、オモチロイ ニューアカ(ニュー赤?)の残り香のような出涸らしのような時期の出版だ
2021/03/06
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