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優柔不断術

優柔不断術

優柔不断術

作家
赤瀬川原平
出版社
毎日新聞出版
発売日
1999-06-01
ISBN
9784620313474
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優柔不断術 / 感想・レビュー

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まふ

赤瀬川原平の様々な「芸術的活動」の根底にある思想的、感性的原点を自ら解剖し、それが極めて日本人的であることを「証明」した快著。日本古来の「断定を避けるあいまいさ」こそが「優柔不断」という「美徳」に繋がっていることを「千円札模造」事件で「確信」し、以降のトマソン、櫻画報などのめざましい快挙に繋がった、ということらしい。何だかよく分からないままに「そうか、それは良かった」と納得し満足したような気分にさせられて読書を終わった。

2024/11/17

編集長

「とりあえず、ビール、2本ぐらい」と注文し、「いずれそのうち」と先延ばしにする日本人。「ぐらい」とは何か。「そのうち」とはいつか。本書は、とかく評判の悪い日本人の優柔不断や先送り精神について、そのよってきたる所以と今日的価値を考察したユーモラスなエッセイ。決断疲れの現代社会と戦争に傾斜しがちな国際政治への処方箋として読みました。「ものごとに対して不断の優柔をもって挑む。これはかなりの意志の強さを必要とするものだと思う。そういう腹さえあれば、多少の論理の綻びなんて、いかほどのものであろうか」(p.139)。

2015/04/05

ふじ

特に衝撃的なこととか勉強になることは書いていなかったけど、ますます赤瀬川原平、好きだなあと思った。おっとりとして上品なユーモアがあって、飄々として。。夜尿症だったという永山則夫の写真を見て、自分も夜尿症で悩んでいたからか、まなざしに一瞬で何か通じるものを感じた、という話、あぁそういうことあるかも、と思った。そういう、直感的な感覚を文章にするのが上手いんだよなあ。あと、自伝的な要素も強い本なので、戦中戦後の貧しい(庶民の)暮らしがリアルに描かれていて、そういう面でも面白かった。

2014/10/07

芸術家くーまん843

飲み屋に入ると無意識に「とりあえずビール、2本ぐらい」と注文したり、会議や商談の場で「その件については、いずれそのうち…」と結論を曖昧にしたままで終えてしまう――。日頃よく目にする光景だろう。この「優柔不断さ」は日本人の特徴だとも言われてきた。しかし、グローバルスタンダード(国際標準)やスピード経営という言葉が叫ばれる中、優柔不断な性格の人間は肩身が狭くなる一方だ。そんな風潮に対して、ベストセラーとなった『老人力』の著者でもある赤瀬川原平氏が、物事をはっきりとさせないのが本当に悪いことなのかと疑問を投げか

2013/01/17

スプリント

芥川賞作家である著者が日常にみられる「優柔不断」な出来事について分析し評価をしています。後半は著者が巻き込まれた「千円札裁判」についても触れられており興味深い内容でした。

2013/12/22

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