稲生モノノケ大全 陰之巻
稲生モノノケ大全 陰之巻 / 感想・レビュー
misui
700頁超みっちりと稲生物怪録のヴァリエーションや資料を集めた一冊。原典と現代語訳はもちろん、講談、小説、漫画など幅広く収録しており、中でも講談の神田伯龍『稲生武太夫』の奔放さ、そしてやはり泉鏡花の『草迷宮』が特別に目を引く。それにしてもひとつの物語をここまで何度も違うヴァリエーションで読むと、この不気味で楽しい世界がすっかり心の一画を占めてしまったように感じられる。なかなか悪くない。
2016/03/04
てまり
この巻、解説(これがまた興味深い)まで含めると765ページというごっつさで、2巻にわたって稲生物怪ばかり読んでいたらさすがに少し飽きてしまい、 資料その他は読みとばした。各作品に登場する妖怪の微妙な違いなどもあって、時間をかけて少しずつ比較しながら読むのもおもしろそうなのだが、とりあえず今回はこんなところで堪能。泉鏡花の中篇に酔う。解説によると、京極さんが本編とは別に本格的な稲生モノノケ小説を温めているとのこと。楽しみ。
2005/09/23
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