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自分自身への審問

自分自身への審問

自分自身への審問

作家
辺見庸
出版社
毎日新聞社
発売日
2006-02-25
ISBN
9784620317557
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自分自身への審問 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

読友さんのレビューに誘われて初・辺見庸。噛み砕いても噛み砕いても尚残るこの心のざらつきを表わす言葉を私はいまだ持ってはいないのが悔しい。凄い作品とめぐり合わせてくれた某氏を恨みたい(笑)特に第五章が凄い。このような『死』と向かい合う状況の中でも、パソコンのキーボード一文字づつでもこの人は『書かずに』『残さずに』いられなかったのだろう。辺見庸、の叫びが私に重く鋭く哀しく突き刺さって読了した。

2016/03/05

がま

社会に慷慨し、他人の不幸に対し鈍感な人間に憤激し、なによりも恥辱に塗れた自分自身に激昂する。世界のあらゆる事象に対して怒りを噴出し続ける著者は、ある日、脳出血に倒れ、半身麻痺の後遺症を患い、さらに悪性腫瘍が発覚する。癌の手術前、ベッドの上で自分自身への審問を行った著者は、自らに有罪判決を下す。罪名は、「底方における不実の罪」。暗く、グロテスクな懊悩を吐露する著者に、どこか仄かな共鳴を感じる。

2015/06/14

aya-panta

脳出血と癌に立て続けに襲われた著者が、死を間近に感じながら様々な問いかけをし答えを紡ぎだしている。『もの食う人びと』を読んでから、気になっては時折著書を読んできて、いつも外へ向けて、私が気付くこともないような観点から「これはおかしくないか?」と訴えている人だな、と思っていた。この作品では徹底的に「自分は」を問うているのだけど、そこでも「そうか、そういうふうに自分を見るのか」と、こちらを考え込ませてしまう力があって、やっぱり辺見庸ってなんか凄い。課せられたものだとして(も)、生きていてください。

2013/11/29

rakim

何時も警鐘を鳴らしまくっているヒトという印象でした。言いたいことはわかるけど・・・、の「・・・」の部分で反発も感じていました。病に倒れられた後の著作の再読。彼は依然鐘を鳴らし続けていらっしゃる。でもその音色が尼僧の鐘のようで、真摯に聴きとらなくてはならぬと今度は思うのです。逆側に立つ経験を得た者だけが持つ青い炎の熱さが伝わってきます。鐘の音に少しでも耳を傾ければそこに断固たる覚悟もできる。覚悟のできる人が多くなれば「見分け」がつけられるような社会が出来るかもしれない。巻尾の「審問」に溜息。

2010/06/20

どさんこ

辺見庸は常に自分に対して問いを発している。そして、死の淵を覗いてもなお、自分自身を裁こうとしている。苦しすぎやしませんか。そういう俺は自分に対してどこまで甘いんだと思い、情けないやら悲しいやら。

2016/08/23

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