白狼伝
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白狼伝 / 感想・レビュー
ロビー
台湾滞在中に連日テレビで報じられていた「白狼帰国」。熱狂的ともいえるその報道に、いったい白狼とはどんな人物なのかと思い手にとった。台湾と中国の間にあって時代の潮流に翻弄される男達の話。アウトローではあるがインテリジェンスを持ち合わせた魅力的な男が白狼だ。この本で語られる歴史からの地続きのニュースだったんだな、アレは。台湾当局の陰謀で海外逃亡生活を余儀無くされた白狼が17年振りに祖国に戻り、台中民族統合を訴えるなんて、胸が熱くなる。
2013/07/20
アンゴ
台湾最大の結社竹聯幇の二人の指導者の軌跡を通じて台湾現代史を深部から見るノンフィクション。私水準の読解力では難解で、筆者が伝えたい事が判りにくい。結局は補論にある「日本人が信じている民主主義の幻想」を、中国の幇と党の関係を用いて訴えたかったのだろうか。主体の省略が多いなど凝った文体で格調を演出しているのか、軽く読み流していると意図や文脈前後を見失いそうになり、集中力を要した。
2012/08/04
むねくに
台湾と言えば「南の小さな島国」という印象ですが、なかなか複雑な事情があることを感じました。人間に限らず、生存競争とは必ずしも強者が弱者を駆逐していく過程ではなく、逆境を乗り越え進化をし続けるものが生き残るのだと思いますね。後半の現代中国論は何とか読み解けた気がします。
2016/06/12
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