人生は愉快だ
人生は愉快だ / 感想・レビュー
里愛乍
「死んでからでも本は出る」彼女は確かにこの世とされる此処にはいない、らしい。〝らしい〟というのは私にとって何ら変わりはしないからである。ページをめくれば、生前と同じ彼女の言葉、言い回し。ああ相変わらず一貫している。この言葉こそが自分にとっての彼女であるならば、まさしく「さて死んだのは誰なのか」。「ない」とは「ある」とは「自分」とは「存在」とは。これが言葉遊びだというのならばそれでも結構。遊びだから真剣で真面目に本気で取り組める。仕事でも課題でもないのだから無理な結論なんて出さなくていいのである。
2016/09/26
団塊シニア
「悲観も楽観もせずにいるのがいい、いいというのはそういう望みをもたないことが結局一番いいということ、あれこれ思い煩うから人間は不幸になっている」正しく価値のある言葉を書くことに価値があるという池田さんの言葉は哲学的エッセイとして心に響くものがあります。
2015/03/13
SOHSA
《図書館本》久し振りに池田晶子著作を読んだ。やはり池田作品は明解だ。当たり前のことを当たり前だということの潔さ、快活さは読んでいて途方もなく心地よい。特に第1章の歴代の哲学者評は、それぞれの思想・哲学を端的かつ適切に表していて、こんなふうに言い切ってしまってもいいのかと却って心配になったりもする。第2章のQ&Aはちょっと中弛み感が残る。別にこれはなくてもよかったのではないか。第3章はエッセイ風でまた面白い。タイトルのとおり終始愉快な本だった。返す返すも著者の早逝が惜しまれる。
2017/11/09
梅ちゃん
自分のアホさ加減に嫌気がさします。 読んでいて、内容が脳の中に入らずに、表面を滑ってこぼれ出てしまうような感覚です。情けない! もっと、考えなくては。
2015/03/30
抹茶モナカ
いろんな哲学者の言葉から、解説風に思索を綴る1章は、哲学の素養がないため、読んでいてわかるものもあるけど、辛かった。池田さんの本を読む時は、哲学ではなく、哲学的エッセイを期待しているため、悪い言い方かもしれないけど、本質、本質と啖呵を切る池田節じゃないと、こちらも拍子抜けする。本当に考える、とは、とかの池田節じゃなくては、やはり、別に池田さんの本じゃなくて良い。
2022/01/15
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