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死と滅亡のパンセ

死と滅亡のパンセ

死と滅亡のパンセ

作家
辺見庸
出版社
毎日新聞社
発売日
2012-04-27
ISBN
9784620321066
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死と滅亡のパンセ / 感想・レビュー

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さっちも

震災後、故郷石巻を訪れた体験を中心に書かれている。かつて自分の家があったはずの場所が海に、瓦礫の原、何千と浮く遺体、発狂する人、、、甚大無辺の被害を前にテレビや雑誌では表現し得ない惨状や事実、考察を語る。もうちょっと世界と和解できないのかという感じがある。だけど、ありがちな無常やヒロイズムで片付けることなく、震災を前にした人間の姿、悲惨、醜さ、儚さを克明に描き、読者に強烈な作用を与えると思う。本当とか、誠実とかをある意味つきつめた震災の記憶じゃないか。好き嫌いはっきり別れると思うが誌も文章も本当に読ませる

2017/02/16

Yuko

<そして、いままさに崩れゆく世界で「わたしはなにをどう証すのか…?」 巻頭詩「太古から曳いてきた未来の音」をはじめ、「死と滅亡のパンセ」「神話的破壊とことば」などを収録したエッセイ集。> 2012年 無知は恥ずかしい。それ以上に無知は怖い。 ここに書かれていること、2011年3月11日の前と後に日本で起こっていること、これは真実だ・・・

2018/08/01

ophiuchi

大震災で数多くの死者が出た宮城県石巻市南浜町出身の著者が震災後に綴った文章が収められている。震災直前に書かれた章も大災害を予言していて、表題通りの内容となっている。現在の日本に関東大震災後よりも色濃いファシズムへの流れを見出す著者の苦悩は深い。

2012/07/24

ぱお

誰もが感じてきたであろう絶望感を、こうもはっきりとした言葉にしてくれた人がいた、と思った。震災だけではない、見つめなければならないことがあると、麻痺していた頭が覚醒したという感じがした。もっともっと多くの人に読まれるべき作品。

2012/07/05

魚53

大震災を前に言葉を失う。どう表現できるのか。数値では伝わらないものを言葉がどのようにすくい取り、人の内面に届かせられるのか。ありきたりの言葉ではなく、震災詩のような萎縮したものではなく、狂気や暴力や犯罪なども排除しない言葉。それは徹底的に個であることからしか生まれない。個が個に届かせられる言葉を探す。言葉に対する真剣な姿勢にはすごみがある。

2023/04/05

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