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私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集

私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集

私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集

作家
小熊英二
出版社
毎日新聞出版
発売日
2016-06-24
ISBN
9784620323848
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私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集 / 感想・レビュー

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勝浩1958

新聞は時間的制約があって自分の関心の強い分野しかじっくり読まないので、このように論点がまとめられているのはありがたい。いま日本の社会でどのようなことが起こっていて、なにが大きな問題になり、政府や各種行政機関やあるいは市民団体や地域のコミュニティはどのように対応しているのかが分かってくる。大事なことは「お上」に丸投げしないことなのです。わたしたちひとりひとりが、もっと政治や社会にコミットしていかなくてはならないのですが、分かっていてもなかなか十分にはいかないのが現状でしょうか。

2016/09/10

yoneyama

2011年から2015年にかけて、社会構造の変化に注目して書いた小熊氏の時評を集めたもの。この時期、朝日新聞の論壇委員を勤めて、経済誌や保守系雑誌も含めた雑誌をよく読んだとのこと。この時期の社会構造の変化、社会運動の変化はやはり震災と原発事故、安保法制を機会に、日本の安定性、持続性に関する危機感が人々を駆り立てたのではないかとのこと。学者として、この時期の社会運動の推移を注視しコメントしていた著者の評は今読んでまた価値がある。

2024/09/28

 

「恐らく、くだんの牛丼チェーン店の経営者は、日本の労働者のモラルを、不変の前提と考えていたのだろう。言葉を換えれば、甘えていたともいえる。安くこき使っても高いモラルで働いてくれるはずだ、と何の根拠もなく思い込んでいたなら、それは甘え以外の何物でもない。労働者のモラルに甘えてコストカットしたあげくに、店舗閉鎖という形で、かえって高いコストを払うことになった。『最近の若者は甘えている』と発言する経営者が時々いるが、甘えているのはどちらの側か、よく考えてみた方がよい」

2019/02/23

紅葉まんじゅう

「私が戦争が嫌いなのは社会の雰囲気が悪くなるからです。戦争になると、必ず分断と格差がおきる。死ぬ人と死なない人、戦場に行く人と行かない人、戦争で利益を得る人と損害を受ける人。社会の中で何重にも分断が生じ、雰囲気が悪くなる。アメリカでベトナム戦争が疎まれたのも、大学生でないもの、さらに大学生でも成績が悪いものから徴兵され、分断と怨嗟を生んだことが一因でした。」     私は戦争には反対だが、明確な理由を言語化するのは案外難しい(人を殺すべきではない、に留まってしまう)。この本は結構参考になった。

2022/03/27

とくけんちょ

相変わらず論理が明快!テーマは出版、政治、法律まで幅広いが、筆者の主張はわかりやすい。最後のテーマでも述べられているが、筆者は編集者としての経験から自分がわからないものは人にわからないという目線で編集していたと。これは自分の主張にあっても、客観視するということに繋がっているようである。どのテーマをとっても、つまるところ何なの?に比較的、答えを出してくれている。

2017/11/22

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