東京は遠かった 改めて読む松本清張
東京は遠かった 改めて読む松本清張 / 感想・レビュー
こばまり
興奮したのは山梨贔屓であったという考察。甲府の地味な人造湖、千代田湖が登場する短編まであるとは恐れ入った。煮しめたような古本屋の前で、年端もいかぬ私に、ここに清張が来たんだよと小鼻を膨らませていた父の姿を思い出す。
2019/07/16
アヴォカド
時々無闇と松本清張が読みたくなるのはなぜなんだろうか。多作なので、中には結構トホホな物もあったり、小道具が古くなっているのはどうしようもないのだけれど、それらを差し引いても余りある、何か人の変わらない部分を差し貫いているのだろう。いろいろ読み返したくなり、もう家にはないかなあと思いながらも探したらあったあった。宮部みゆきが「名作中の名作。これを読まずしてミステリを語るまじ」とまで言う『一年半待て』も再読してみた。唸った。
2021/01/02
Gen Kato
松本清張作品および映画化作品ガイド。結末をがっつり語ってしまっているので、原作を未読の場合は読まない方がいいかもしれない(そのぶん踏み込みが深くておもしろいのだけれど)。映画、未見のものはもちろん、以前観たものもまた観たくなるなあ。
2020/01/07
青雲空
清張論は既に先行が多い。本書の特色は映画ともいえる。清張映画は新旧36本というから驚く。 各社にまたがっているが、全集が出れば買うなあ。 チェックするとみていない作品も多いから。
2019/06/18
hitotak
主に昭和20年~30年代に書かれた清張作品と映画についての解説・エッセイ本。東京とは比較にならないほど文化的に遅れ、貧しい地方を舞台に書かれた作品が多い。ハッピーエンドなど皆無、謎解きが成されていても後味が悪い作品ばかり。戦後日本の影の部分が書かれた清張作品は当時大いに読まれ、次々と映画化されていったおかげで、今はなくなってしまった地方の風景も映像になって残り、歴史的資料としても貴重なものになっている。
2019/06/09
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