純粋な幸福
純粋な幸福 / 感想・レビュー
踊る猫
言葉が踊っている。「リアル」な感覚で捉えられた、この国にあふれている言葉やこの国で見えてくる情景をそのまま「なぐり書き」で、小賢しい技巧を捨てて(がしかし、その無造作さの中に高度な戦略性を溶かし込んで)書ききっているなと思ったのだ。読み終えて、確かにこのぼく自身の見る光景までも歪んだような気になった。あるいは新たなチャンネルが開かれたとさえ感じ、あらためて辺見の「幻視者」としての資質や聴覚の鋭さ、言葉や異性へのエロティック/フェティッシュなこだわりについて学ぶ。この言葉、「朗読」してみたらどうなるのだろう
2023/08/22
hasegawa noboru
2019年9月刊の詩文集。積読本。<たぶん、老いとは主観と身体の無自覚な乖離にはじまる>。身体の衰耗と衰微。<経年劣化><底なしの気鬱のないところがいま、どこにあるだろうか。世界の実相は気鬱にみちている。それなのに、老いも若きも総理大臣も天皇も、そうではないふりをしている。><気鬱をはらうには怒り狂うより他にはない。狂気といわれようが、怒気をあらわにしてなに悪かろう。>(初出・書き下ろし「グラスホッパー」)その狂気はみんなして穏やかに忌避されることでしょう。分かりすぎるからこれは詩ではない、エッセイ。
2024/07/26
ophiuchi
ノンフィクションのイメージがあったので、こんなにシュールな小説だとは思わなかった。
2019/10/24
魚53
ある意味爆弾。テロのような詩集。
2023/05/06
Maumim
老いてもなお、健在。
2019/10/08
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