無垢の歌
無垢の歌 / 感想・レビュー
アキ
ウイリアム・ブレイク「無垢の歌Songs of Innocence」1789年と「経験の歌Songs of Experience」1794年を池澤夏樹・春菜の父娘で訳した本。装幀は川名潤。「虎よ!」は収録されてない。池澤夏樹の解説がなければ、羊飼いと羊が教会と信徒で、子羊がイエスの象徴で、作ったという言葉が神の被造物を表すなどは想像もできない。道に迷うlostとは人が信仰に出会うまでの状態。人は無垢の状態で生まれ、経験によって傷がつくと。無垢の歌では、黒人も小鳥も花も蟻も同様に扱っているのが印象に残る。
2021/04/22
ケロリーヌ@ベルばら同盟
清らかな水の流れのような、音と文字が生み出す美しい「言葉」の優しい響きとリズムを大切に、池澤春菜さんが瑞々しい感性で翻訳した、ウィリアム・ブレイクの詩篇。愛娘の力作を包み込むように、一篇ごとに池澤夏樹さんの端正な解説が寄り添います。平易で、明るい語感は、わらべ歌のようで、思わず口ずさみたくなります。ブレイク自身の筆による緻密な装画が多数掲載されているのも嬉しい。手元に置き、折々に読み返したい美しい一冊です。
2021/08/28
ふう
どんな国のどんな人々も、苦しいときに、誰かを大事に思うこと、誰かに心を注ぐこと、平和と愛に祈りを捧げるんだ みんな、みんなを愛さなくちゃ 違う神様を信じていても、トルコ人でもユダヤ人でも 誰かを大事に思うこと、誰かに心を注ぐこと、平和と愛があれば 神様はいつも一緒にいるんだよ この詩は 今まさにぴたりと言い当てている、と思う。敬虔なクリスチャンのブレイクにとって、信仰は疑うことなく平和と愛をもたらすかけがえのないものなのだと。divineとgodly 原題の単語の意味で悩んだ🧐
2021/07/26
mawaji
図書館の新刊本コーナーより手に取りました。キリスト教の教義を根底に持ったわらべ歌のような詩集のように思いながら鑑賞しました。「小さな黒い男の子」イギリスで奴隷貿易が禁止される以前からBLMについて理解していたのはほんとうに驚嘆。「神様のお姿」平和と愛に祈りを捧げることはリンゴ・スターが世界中に呼びかけていますね。「新しい年」冬至一月説、受け入れます。人は無垢で生まれて、濁世で経験を重ねるごとに汚れていくということなのでしょうか。赤の他人である他者の苦しみに対してでさえ、われわれ一人ひとりに責任があるのだ。
2021/04/25
naolynne
詩の言葉は古びない。遠い時代に生きた人々の声を蘇らせる。
2021/03/26
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