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コロナ時代のパンセ 戦争法からパンデミックまで7年間の思考

コロナ時代のパンセ 戦争法からパンデミックまで7年間の思考

コロナ時代のパンセ 戦争法からパンデミックまで7年間の思考

作家
辺見庸
出版社
毎日新聞出版
発売日
2021-04-19
ISBN
9784620326832
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コロナ時代のパンセ 戦争法からパンデミックまで7年間の思考 / 感想・レビュー

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シナモン

コロナ時代のいま、哀しいかな、「生は特権化された人々の権利にすぎない」のかもしれない。貧しき人びとは、にもかかわらず、コロナの死線を越えて日々働きつづけなければならない。でなければ、今日を生きながらえることができないからだ(本文より)コロナ時代については多くはなかったが、「間違った戦争」を認めようとしない首相、「傍観者効果」の怖さ、どこまでも「善」を求められる天皇、やさしさの裏の怖さなどいろいろなことを考えさせられた。難しいかな、と思ったけどとても読みやすかったです。

2021/08/15

hasegawa noboru

2014~2021年3月月刊誌に連載されたエッセイの集成。時事に触れて綴られた思考の書。警句に満ちる。暴走をかさねる自民党現政権、それをゆるし支える社会と民衆「非言語系の共同体「世間」」のこと、介護老人保健施設に通い始めた自身の老いのこと、天皇について、死刑制度について、新型くるってきたかをコロナ禍の情勢について、等々。底なしの気鬱と絶望と憤怒をもって、躰で語る辺見庸の姿勢は不変だから、時代がどれほど狂ってきたかを教えてくれるようだ。共感をもって同意する。が、じじー世代の繰り言として無視され冷笑されていく

2021/05/16

kentaro mori

久しぶりの時評集。辺見庸はいつだって変わらない。変わってしまったのはぼくたちだ。いつの間にか奴隷になってしまった、そしてそれに何の疑問ももたなくなってしまったのだ。読むといつも反抗心をかきたてられる。永遠の不服従のために読む。⚫️わたしたちはいま、なにものかにあからさまに弾圧されているのではない。わたしたちの乏しい内面が、わたしたち自身を執拗に抑圧しているのだ。まるで真の不幸をのぞむかのように。

2021/04/16

田中峰和

辺見庸は変わった人である。共同通信社のエリート記者から芥川賞までとっているのに、50代半ばで日雇い労働者に転身。空疎で無責任な言葉が嫌いなのだろう。この本には戦争法からコロナまでの7年間の思いが綴られている。民主主義から国際情勢、憲法から天皇制、東京五輪とコロナ問題など、思うところを縦横無尽に語っている。「『天皇主義』宣言と思想的退行」の内容は日教組教育を受けた世代には得心できる。明仁天皇夫婦の人気は絶大で、その波に乗る知識人まで宗旨替えして天皇崇拝者になる。これを思想的退行と呼ぶ辺見はさすが筋金入り。

2021/07/18

魚53

深いところから響いてくる言葉。一つ一つの事象を丁寧に目をよく凝らして見よと教えてくれる。「ほら、こんなふうになっているじゃないか」というように。「もっと気をつけておいた方がいい。もっと怒ることなんじゃないのかい。」と。読み終わるのが惜しい。こういうふうに見方を教えてくれる人は、なかなかいない。

2023/02/19

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