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分析心理学

分析心理学

分析心理学

作家
カール・グスタフ・ユング
小川捷之
出版社
みすず書房
発売日
1976-02-28
ISBN
9784622023135
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分析心理学 / 感想・レビュー

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roughfractus02

米国での黒人の夢の研究で、社会や人種を超越した神話モチーフの存在を確信が元型の発想をもたらした、と著者は200人の医師の前で語る。一方、外向/内向の2軸と感情・思考・感覚・直観の4象限での8タイプの分類については、感情/思考の対立を優越/劣等に機能(関数)化すると意志をエネルギーとして科学的表現ができるとし、『元型論』から『タイプ論』へと橋渡しを行う。劣等機能は古代的で未発達ゆえに、集合的無意識が意識を補償すると元型が意識を覆う。妄想とは劣等機能の増大であり、その集団的感染は戦争の契機に成りうるとされる。

2021/05/19

夜間飛行

元型というものが戦争を引き起こすほどの力を持っていると知り、驚いた。ユングの著書を読むのははじめてだが、壮大な世界観に圧倒される思いであった。

2012/10/01

Gotoran

本書は、約三四半世紀前の英国(ロンドン)におけるユングの講義と質疑応答の記録。分析心理学の核となる考え(思考・感情・感覚・直観の外的な心的機能、記憶・主観的構成要素・興奮・侵入の内的な心的機能、自我、普遍的無意識、元型他)に加えて、フロイトとの無意識の違い、夢分析、精神療法と宗教等、非常に興味深い内容であった。河合著書(ユング心理学入門)を一読していることもあり、講義(本書)の概要については、把握できた。「訳者あとがき」も良かった。より深く理解するために、幾度となく、読み込んで行きたいものだ。

2011/10/26

キューネン

面白かった!ユング心理学が、当人によって(多少入り組むこともあるが)平易な言葉で語られる。訳もこなれているし、専門用語や宗教用語についても注が詳しい。ユング心理学を学ぶなら、河合隼雄の入門書に当たるより、まずこの本を通読するのがいいのでは?と思った。ただ、いろんな種類の元型については記述されていなかったので、そこに関してはまた別の本を当たろうと思う。訳者あとがきも力が入っていてよかった。

2024/11/03

難解さに定評のある著者に興味をおぼえたとき、いつもしてきたように、いきなり本丸を攻めたいのをぐっとこらえて、初心者むけの入門書でおおまかな地図を手にいれてから、できるだけ入りやすそうな入口をみつけて、おそるおそるドアをノックしてみる。ロンドンでの連続講義と討論の模様を収めた本書は、ユングみずから分析心理学をかみくだいてレクチャーしてくれる、初めてのユングにもってこいの一冊だ。あくまでも仮説に徹する謙虚さといい、アウェーな質問にも丁寧にむきあう真摯さといい、多くの人を魅了してやまない人となりが伝わってきた。

2017/02/23

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