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ユング自伝 2―思い出・夢・思想

ユング自伝 2―思い出・夢・思想

ユング自伝 2―思い出・夢・思想

作家
カール・グスタフ・ユング
アニエラ・ヤッフェ
河合隼雄
藤繩 昭
出井 淑子
出版社
みすず書房
発売日
1973-05-11
ISBN
9784622023302
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ユング自伝 2―思い出・夢・思想 / 感想・レビュー

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やいっち

いま読んでる中沢著の「精神の考古学」にて参照されてた。学生時代、フロイトの関連でユングの著書を一時期読み浸った。この自伝は今も読むに値する。

fishdeleuze

自伝第二巻はフロイトとの訣別後から晩年の思想まで。この巻で印象的なのはユングの個性化への道程だ。個性化とはユングによれば全体になる過程(P.268)である。激しい幻視、ポルターガイストのような影の外的投影、ヌミノースムを経て、ペルソナを剥ぎ取り、錬金術の知恵をもって、世界あるいは神的存在と合一していく。自己は自我を超えて統合された存在(=セルフ)になるのだ。美しく大きな神話のような自伝だ。

2013/03/30

Gotoran

(2)巻は、Ⅶ研究、Ⅷ塔、Ⅸ旅、Ⅹ幻像、Ⅺ死後の生命、Ⅻ晩年の思想、「追想」と付録5篇。母方からの霊媒の素質を受け継ぐユングの秘められた不思議な内的世界を垣間見ることが出来た。それは、ビジョン、夢、幻影が恐ろしいぐらい原始的心性を帯び、科学的(合理的)な知性と類稀な霊的能力が一体となった内面の個性化の世界に他ならない。追想の最後のセンテンス;老子が「俗人昭々。我独り昏のごとし」というとき、それは私が今、年老いて感ずるところを表している。老子は高い洞察を得た人の典型であり、価値と無価値を見、経験し↓

2012/08/25

マーブル

 ユングを生涯突き動かしていた知への渇望。それはよく知られた人間の心についての研究だけでなく、他の科学への興味についてもまた、この自伝により伺うことができる。物理学の引用や例えなどが頻繁に用いられる。あるいは、人の心を探るため、そこに現れた象徴を神話学・宗教学・民俗学・神秘学などの広い分野からの意味付けを見つけ出す。どこまでも自分自身に固有の真実を追及していたユング。科学として見ればそれは、疑問の多い道なのかも知れないが、実は人にとって意味ある真実は極個人的なのかも知れない。

2021/08/14

roughfractus02

自己(Selbst)の自伝は、意識だけが自分と思い込む自我(Ich)の不毛を示唆しつつも、行為と溶け合う私(Sich)へと退行し、無意識のカオスへ最接近しては戻るを繰り返す。著者はフロイトとの決別から始まる精神の動揺を無理に抑えず、制御する技法の体得を目指して錬金術や東洋の瞑想に学び、ボーリンゲンに石の家を建てて自然との交流を密にし、臨死体験から死後の生を思い、ネイティブ・アメリカンとの出会いでは宇宙と一体のその倫理に触発される。その中で著者は、心を制御しつつカオスに隣接する個性化の技法を練り上げていく。

2021/06/05

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