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岡本太郎の本〈1〉呪術誕生

岡本太郎の本〈1〉呪術誕生

岡本太郎の本〈1〉呪術誕生

作家
岡本太郎
出版社
みすず書房
発売日
1998-12-11
ISBN
9784622042563
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岡本太郎の本〈1〉呪術誕生 / 感想・レビュー

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roughfractus02

著者はパリの画廊でピカソの作品に涙を流し、美術史を乗り越える契機とした。一方、戦後帰国して上野の国立博物館で縄文土器に「ひっくり返るような発見」をし、芸術全体を呪術から捉え直す契機とした。本書は、著者の死後数年で絶版になっていたエッセイを各テーマごとに1990年代後半に再編集したシリーズの一冊で、近代の「官製」の国家の歴史に押し込められつつも宇宙的ビジョンを吹き込もうとする呪術的空間、作品、儀式を見出す一冊である。本巻では前衛と伝統のような対極的な捉え方が時代と自らに挑むごとに激しい語調を生む様が辿れる。

2023/04/25

あっきー

✴4 積読本消化月間21冊目、世界の歴史と岡本太郎の本5巻を読むことが今年の目標だった、15年前ぐらいから文庫本を読み、解説本も含め5、6冊読んだ、その時にバタイユと関わりがあったことを知りビックリした、学生の時このことを知っていたら恐ろしくはまっていただろう、今も胸の中をひっくり返される位、読んでてビンビン体にきた、ピカソのゲルニカの時代とパリ生活の様子が特に面白い、自分のプロフィール写真は青山の岡本太郎記念館で撮ったものだ

2016/12/10

そ吉

主に岡本太郎のパリ遊学時代の回想をもとに、岡本太郎の考える芸術論と日本民族論を纏めたエッセイ集である。 岡本太郎は太陽の塔で一般に知られるも、その本質はジャポン・エスニシティに溢れた民族芸術家であると思う。 岡本太郎がソルボンヌで哲学以外に民俗学を学び、しかもマルセル・モースの講義も受けていたとは知らなかった。 沖縄に対する土着性を写真という形で表現したのもさもありなんと理解した。 当に「芸術は爆発だ」だな。 ところで、同じ頃パリにいた藤田嗣治については名前すら出ないのは何故だろう。★★★☆☆

2022/07/02

ルンブマ

岡本太郎の作品の根幹にある〈対極主義〉についてと、ジョルジュ・バタイユとの出会いについてがこの『呪術誕生』である。バタイユの「自己否定」による「脱主体化」に嫌気がさし、彼とは決別した岡本太郎。岡本太郎にも「否定」の手つきはみられるが、太郎は与えられた社会への「否定」をし、それを契機に「自己」は肯定していく。これがいわゆる矛盾を含んだ〈対極主義〉と呼ばれるやつである。岡本太郎はまさしく、バタイユの理論を覆そうとして、死の意識を否定したのだが、彼は日本(東洋)のことしか考えなかった。

2019/10/24

chanvesa

天才の言葉は人を鼓舞させる。有名な「芸術はうまくあってはいけない・きれいであってはならない・ここちよくあってはならない」とする「芸術の価値転換」が収められている。また、きっとCMで打ち鳴らされていたあのガチャガチャの梵鐘についてのエッセイも含まれる。岡本さんの反骨精神、調和への拒否、それに基づく人生観や生い立ちが随所に読める。

2012/03/17

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