ロッシーニ伝
ロッシーニ伝 / 感想・レビュー
kthyk
1823年秋にはロッシーニはすでに「セビリャの理髪師」などでその名声はヨーロッパ中に鳴り響いいていたが、かれより10歳近く年上のスタンダールはまだ「赤と黒」も「パルムの僧院」も書いていない。スタンダールの処女作は「ハイドン、モーツアルト、メタスタジオの生涯」(1814年)。「湖上の美人」はオペラというよりは叙事詩的な作品。オテロほどの激情はこのオペラにはない。ナポリのディレッタントの一致した意見ではロッシーニは湖上の美人によって初期の楽風に一歩戻った。タンクレーディ以降、彼は深みと力強さを増している。
2020/12/30
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