定本 私の二十世紀書店
定本 私の二十世紀書店 / 感想・レビュー
もりくに
再読。この本は、1982年に何と中公「新書」で出版された。通勤の行き帰りに少しずつ読み、深い感動を覚えた。この本は、長田さんに「二十世紀」を親しく教えてくれた本たちについての本。(あとがき)何より驚いたのは、西ヨーロッパとアメリカ中心に世界を見ていた自分に対して、長田さんは文字通り、「世界」を見ていた。東ヨーロッパも、ラテンアメリカも、パレスチナやイスラエルの中東も。ほとんど読んだことのない本だった。多くの本をリストアップしたが、例によって、素晴らしいレビューによって、「読んだ気」になって、ほとんど未読。
2018/10/09
Koki Miyachi
詩人長田弘の忘れがたい本の置き場。”これらの本が語ってくれた言葉によって、言葉のむこうに目撃した、世界の同時代の感受性の光景を書きとめておきたい” 実に九十三冊。詩人らしく美しい言葉で書かれたショートエッセイの集積だ。読み進むにつれて気付くのは、選ばれた本を通して筆者の言葉による二十世紀のクロニクルだということ。本が横軸、筆者の価値観が縦軸をなし、緻密に編み上げられた二十世紀。自分の知る二十世紀とのズレを埋めたくなる衝動が次の知的な展開に繋がる、そんなポテンシャルを秘めた本。滅多に出会えない本。
2013/08/22
rabbitrun
本たちに二十世紀という時代について語らせるところが著者らしい。店主の本への思いが行間に溢れており、紙数以上のボリュームがある。
2015/07/01
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