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トリエステの坂道

トリエステの坂道

トリエステの坂道

作家
須賀敦子
出版社
みすず書房
発売日
1995-09-01
ISBN
9784622045946
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トリエステの坂道 / 感想・レビュー

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くみ

タイトルにもあるトリエステは須賀さんと夫ペッピーノの思い入れのある場所。しかし2人で行こうねって言ってたのに叶える暇もなく夫は先立ってしまう。何十年もたったあと須賀さんは1人で約束の地へ。寂しいとは一言も書いてないのだけど、哀愁とか切なさがつのって堪らなくなる。特にホテルのボーイが鳩に餌をやるシーン。2人で眺めたらまた違った色彩を持ったのだろうか。そのほか、夫の家族とのエピソードが満載。夫の弟夫妻とは須賀さんが日本に帰ってからも親交は続き、彼の息子の話にまで及ぶ。それがなぜかとても嬉しかった。

2018/07/28

蘭奢待

須賀敦子の随筆。若かりし頃の良きローマの町並みを懐かしみ、改めて散策する。イタリアの風を感じる。

2018/08/26

algon

留学までは日本で裕福な育ちをしていた著者がイタリア留学を経て鉄道員の息子のイタリア人と結婚。そこで庶民の貧しさの実際を知る。夫の急死後も彼の地にとどまり夫の親族のいたわりを受けながら彼らに寄り添う。日本帰国後も義弟らとの交流は続きその折々を顧みたエッセイ集だ。しかし義弟の嫁の父親のことを綴って(言わば関係性などほぼ希薄なのに)読み手に興を起こさせ遂には胸迫る感動まで起こさせてしまう…しかも淡々とした端正な文章なのに…やはり著者に備わるバックヤードの奥行と佇まいを思わずにはいられない。総じて愛惜の名著だと。

2019/10/17

じじちょん

前半は詩人サバにゆかりがある書店や町を巡る紀行文となっている。後半は亡き夫とその家族の回想録で、冒頭の夫と国際結婚をし、早くに夫を亡くしたとようやく分かる。 貧しい生活だけど悲壮感なく淡々とエピソードが語られている。心に宿る感情は読み手それぞれの人生経験に委ねられるんだろうな、と思った。

2019/08/05

yuma

毎晩少しずつ読み進めた。ハードカバーの装丁が毎回素敵で本棚に並べたくなる。今回は本文に出て来るカラバッジョの絵画が使われており、本を閉じる度に何とも言えない余韻を与えてくれた。

2016/05/18

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