途上 1957‐1974 (大西巨人文選 2)
途上 1957‐1974 (大西巨人文選 2) / 感想・レビュー
兵頭 浩佑
煽り全一。キャラ設定のために『批評の弾着距離』だけ読むはずが、まあ読ませる読ませる。「~先生」という煽りが佐藤春夫の発明だったというのも、この際できれば当該文芸時評を読んでおきたくなるネタ。引用厨としての著者の技が光る。平野謙の「月収税込み五万円稼ぐのはたいへんなことですよ」という台詞もいい資料だ。呼び戻すのが捗る。 しかし、である。第一感去来するのは、文芸村の風景が1959年からなんら変わっていないということ。変わったことといえば、こういうクソ煽りが誌上で見れなくなったことだけ。ホント、進歩しないねえ。
2022/01/15
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