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本という不思議

本という不思議

本という不思議

作家
長田弘
出版社
みすず書房
発売日
1999-02-18
ISBN
9784622046721
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本という不思議 / 感想・レビュー

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踊る猫

一度読んでいたのだけれど、そんなこと忘れてまた読んでしまった。だがそれでよかったのだと思う。本を読むという行為について、著者は衒学的な姿勢を採らず自分の生活に根差した行為として考える。そこから何が導き出されうるか。私自身の読書をも振り返ってしまい、荒っぽい作業をしていたのだなと恥じさせられる。本を消費するのではなく、一個の「不思議」を内包した存在として誠実に向き合い、自分自身がそこから変わってしまうことをも辞さない。そんな姿勢は今の時代分が悪い。だが、ここまで丁寧に考えたエッセイを私は闇雲に否定はできない

2022/09/07

あこ

詩人である長田弘さん3冊目。エッセイ。豊かな大人。ずっとお話を聴いていたくなる人。「本は、なにより読む人を語る。思わずして語ってしまう。本をひとが読むのでなく、本がひとを読むのです。」あとがきに、本という名の友人/人間の不思議な友人としか言えない本/その密かな友人にもらった、見えない贈りものであるゆたかな時間とゆたかな沈黙/このような言葉にうっとり(^^)。

2018/08/04

シュシュ

長田弘さんのエッセイ。あとがきに「本についてでなく、本という名の友人について語ること。…誰にも何も本は強いない。読むものは読み、読まないものは読まないのが、本であるということ」とあった。すーっと引き込まれて読んでしまった。ル・グウィンの詩『新しい家のために』、子どもの本の秘密、アパラチア・ストーリーが特に印象的。室生犀星の『本』という詩が素敵。「本を読むならいまだ 新しい頁をきりはなつとき 紙の花粉は匂いよく立つ そとの賑やかな新緑まで ページにとぢこめられているやうだ 本は私を圍(かこ)んでいる」

2015/05/17

ぱせり

「物語がくれるのは、どんな結末でもなくて、はじまりです。出口が入口であるような世界が子どもの本の世界です」 本をぱたんと閉じた瞬間から始まる冒険がある。物語を追って旅してきた読者は、今度は自分の言葉で新しい冒険の旅に出るのだ、そう思うと、嬉しくなってしまいます。このところ読書も停滞気味でしたが、本とまた近しい関係になれそうです。ありがとう。

2010/09/05

野の花

「あなたがどう思おうと、また忘れようと、あるいは読みっぱなしにしようと、あなたが読んだ本というのは、あなたが誰かを語ってしまう。」 って書いてあったけど、とすると、読書メーターを見れば私が分かってしまうって、ちょっと怖いなあ。

2016/11/18

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