ある学問の死 惑星的思考と新しい比較文学
ある学問の死 惑星的思考と新しい比較文学 / 感想・レビュー
cockroach's garten
「惑星的思考」という単語が出てくる本書は従来の国単位で見た文学よりも、もっと大きな視点から文学を見ていくことが重要だと語った。内容は現在から見たらそれほど目新しくはない。(グローバリゼーションに慣れてしまったせいか)書き方が独特で難解な印象を受けた。
2020/06/14
ハチアカデミー
ある学問の、西欧中心主義的なまなざしに基づいた越境の限界と集合的アイデンティティが文化的に構築されたものであるという限界を指摘し、それを乗り越える手段として「惑星思考」を提示。自らを「惑星」の中に住まう者と位置づけ直し、「他なるもの」を「私たちに由来するのではない根源的なもの」と見つめなおすことで、自明としていた文化や思考は相対化される。学問がその歴史の中で積み上げてきたルールや作法を問い直し、それを脱構築していくことが可能であることこそが、死に瀕しつつある「人文学」の存在意義だと締めくくる。いまでしょ。
2015/05/30
Ecriture
「惑星思考」というキーワードが最近とてつもなく流行っているので、読まざるを得なかった。比較文化研究がヨーロッパに基板をおいたメトロポリス主導のものであったのを、ペリフェリーからの地域研究と接合して新たな比較文学をやっていきましょう、と。そういう研究や惑星思考などというアイデアもグローバリゼーションの一般化に与する危険があるところを自分で押さえてる点はさすがスピヴァク。言語以外のものに語らせるという空間文法が名称成立以前のポスコロ的蠢動であるという指摘も示唆に富む。
2010/07/23
てことこ
人間が超える世界ではなく惑星単位で考える。なんか内容が頭に入りにくいんだけどこれは英語が変なのか翻訳が変なのかな
2009/07/01
よこづな
“保証のないままに、他の文化によって、他の文化のなかで、真にあなた方自身が想像されるがままにしておくこと(その不可能性を経験すること)なのだ、おそらくは。これこそが、テレイオポイエーシスである。”
2009/06/23
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