知恵の悲しみの時代
知恵の悲しみの時代 / 感想・レビュー
マッピー
昭和の戦争の時代に遺された本から、伏流水のような言葉と記憶を書きとどめること。「不戦六十年」を過ぎたいま、この国の自由と「言葉のちから」を問う。昭和の戦争の時代を「知恵の悲しみの時代」として、その時に作られた本、綴られた言葉。決して大きくはなかったそれらの言葉にもっと耳を傾けていたら、あの時代は「知恵の悲しみの時代」にはならなかっただろうに。時代をけん引する言葉、時代を壊す言葉。そんな大きな声で語られる言葉ではなく、詩人・長田弘が救い上げた言葉はしみじみと現在の私たちを包み込み、あの時代を思い起こさせる。
2019/10/11
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