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本を愛しなさい

本を愛しなさい

本を愛しなさい

作家
長田弘
出版社
みすず書房
発売日
2007-04-01
ISBN
9784622072898
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本を愛しなさい / 感想・レビュー

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Gotoran

親しんできた数多くの様々な本とそれらの作者のいろいろなエピソードを取り込み、豊かな感性で紡ぎ出された10人の作者に纏わるエッセイ、まるで肖像画のよう。静謐で淡々とした深みのある文章、寄り添うよに親しみと共感をもって綴られている。お気に入りは、V.ウルフ夫妻の出版社ホーガス・プレスで働く少年の話の「犬とリンゴと本と少年」。冒頭の詩:「本を愛しなさい、と 人生のある日、ことばが言った。そうすれば百年の知己になる。見知らぬ人たちとも。死者たちとも。谺(こだま)とも。」が、何とも言えず、味わい深い。

2016/11/15

なつ

長田さん、今まで何冊か読んで来ましたが、この本は私が思い描いていた長田さんとは違うイメージを抱きました。だからなのか最初はなかなか読み進めることができず…正直なところ少し戸惑いながらの四苦八苦。でも今、再読してみたら「あぁやっぱり長田さんだ」と。本への愛が、本気の愛が、素直な愛が、心からの愛が、長田さんの愛が、じんわりしんみりしっとり静かに沁み込んできて「あぁ、読んで良かった」としみじみ思いました。そして『本を愛しなさい』は『うつくしい一冊の本』だと実感。『本を愛する人なしにこの本はなかった』、納得です。

2023/07/24

kei

「本を愛しなさい、と人生のある日、ことばが言った。」帯およびP1)「わが愛する本とその書き手たちの肖像画を書きたい」と著者が書き綴った珠玉のような10篇のエッセイ。W・H・オーデン、レナードとヴァージニアのウルフ夫妻、シャーウッド・アンダスン、ガードルード・スタイン、コンラッド・エイキン、オルダス・ハックスリー、クルト・ヴァイル他、デイモン・ラニアン、ウィリアム・ルビー、ブレンダン・ビーハン。お気に入りは、ウルフ夫妻、アンダスン、スタイン、ハックスリー、ビーハンのお話。絶版なのが泣ける。

2021/02/09

二戸・カルピンチョ

本を書く人がいる。本を読む人がいる。そのことの尊さをこの本で知ることになる。時代が代わる。この本に登場する作家達の過ごしたような、辛く厳しくおおらかな、生にも死にもおおらかな時は、もうに二度と来ないのかも知れない。本を愛するということは、人を愛することでした。

2020/11/15

tomi

小さな出版業を営むV・ウルフ夫妻を助手の少年の目で描いた「犬とリンゴと本と少年」など10篇。作家や詩人の肖像画(小伝)として書かれているが、静謐で美しい文章は堀江敏幸の短篇に通ずる雰囲気。「アンダスンと猫」はS・アンダスンが小さな町で新聞社を営んでいた頃を描いていて、作家の温かな人柄が魅力的。久しぶりにアンダスンを読みたくなった。

2013/07/11

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