封印の島〈上〉
封印の島〈上〉 / 感想・レビュー
白のヒメ
ハンセン氏病がからんでいる小説だと知っていれば、手に取らなかったかもしれない。過去に読んだハンセン氏病の資料なり記録なり小説なりは、繰り返し読めるとは決して思わない重く辛い過去だからだ。この本は、読メで知りあらすじも読まずに手に取った。やられたーと思った。やはり「ハンセン氏病、隔離島」とくれば、それは読むのが辛いのは当たり前なわけで。それも実在するコロニーの島が舞台になっているものなのだ。けれど・・・。ページをめくる手が止まらないのは、やはり読メの評判通りか。・・痛い胸を抱えつつ下巻へ。
2016/03/24
星落秋風五丈原
コロナ禍で自粛されるまでは、エーゲ海クルーズは日本人にも人気の観光地の一つだった。白い壁の家、青い空と海のコントラストが美しく、旅行を満喫した経験のある人達も少なくない。しかしそんな島の一つに、ハンセン病患者のコロニーとなった島があったことは、あまり知られていない。クレタ島にはかねてより多くのハンセン病患者がおり、1903年クレタ共和国により、スピナロンガ島がハンセン病患者のコロニーという決議がなされた。1957年隔離法は廃止され、施設も閉鎖。
2022/07/07
丘の十人
実在するハンセン病コロニーであるスピナロンガ島を舞台に、ハンセン病を発症した祖母の人生を中心とした4世代の家族の物語。有効な治療法が確立されていなかった時代の厳しい現実、偏見と差別からくる社会の中での緊張関係、こうしたなかでも人間としての尊厳を失わずに暮らす人々の姿、ナチスの占領下のレジスタンス、等々スケールが大きい。読みやすい物語だが、完治したとしても社会に復帰するのは大変であることなど、現実は、描かれたものより厳しかったのだろうとは思う。
2019/04/01
fig
今のパートナーと自分の未来を思い描けずにいる現代女性が、母の過去を知ることで自分を新たに見出す話かと思いきや、過去の物語のみが生き生きと語られていく。呪いの病とされた病気に罹り、島に隔離された人々とその島を望む村の人々の姿や生き様が、早く続きを読みたいと思わせる。
2009/10/25
姫草ユリ子
ハンセン病という病は名前は知っていたのですが具体的にどういう経緯をたどり、どのような扱いを受けて来たのか知ったのは初めてでした。宗教的に見ても悲しい病だったんですね。正直最初の方は退屈だったのですが、途中からページを繰る手が止まりませんでした。丁度いい所で終わったので続きが気になる!
2013/08/01
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