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ブロデックの報告書

ブロデックの報告書

ブロデックの報告書

作家
フィリップ・クローデル
高橋啓
出版社
みすず書房
発売日
2009-01-08
ISBN
9784622074403
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ブロデックの報告書 / 感想・レビュー

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fseigojp

http://www.pulp-literature.com/chronological/ 世界文学年表(残念ながら2011年以降の記事が無いようだが)の21世紀枠に入っていたフラン人作家 フランスの忘却政策への批判のようだ イギリスの離脱も予見していると思われた 余所者への恐怖

2016/06/21

ののまる

辛かった。ずっと「あなたは?あなたなら?どうしてたの?何ができたの?何をしたの?」と問い詰められている感じ。ナチスドイツ期の東欧かなと思って読んでいたけど、著者の出身である独仏国境が舞台のようだ。だけどここに露わになっているのは、空間や時間を超えてずっと横たわり続ける、人間の闇の部分。それが人の本性とは思いたくないけれど、私たちはその事例を現実のこととして、もうたくさん知ってしまっている。ということも、ずっと問われている時間だった。しかしこれが高校生ゴンクール賞を受賞していることで、ちょっと救いが。

2016/05/27

きゅー

これほど引き込まれる読書は久しぶりだった。「僕はブロデック、この件にはまったく関わりがない。」という自己弁明めいた発言からはじまる、この物語がこれほど暗く、陰鬱な光を放つとは想像しなかった。彼が書く公的な「報告書」とは別に、事件のすべてを明らかにするために彼は思いつくままに文章を書き連ねる。少しずつ深みへと、人びとが怯懦や、慢心や、恐れのために手を下した事件の核心へと向かっていく。それにしても、読み進めながら私は怖かった。クローデルが私たちを逃げ場のない閉所へと追い詰めていくような感覚に囚われたからだ。

2012/03/07

ぱせり

とてもしんどい本でした。この物語すべてを一人の人の心の中の葛藤の物語として読みました。わからない部分も含めて。そして、「憎しみから美が、純潔が、優雅が生まれることもある」というプップシェットの存在。おいぼれ犬だとずっと思っていたものが実は優美な狐だった。などが心に残ります。これを勝利と信じたい。何よりも大きな確かなものを取り戻したのだと。

2010/09/29

猫のゆり

淡々とした語り口で、徐々に明らかにされていく過去の悲惨な出来事の数々。人間の尊厳とはどれだけの理不尽な行いに耐えうるのか・・・。全てを受け入れて生き続けるブロデックの強さに感動を覚えた。

2009/02/28

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