われら新鮮な旅人――definitive edition
われら新鮮な旅人――definitive edition / 感想・レビュー
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【長田弘さん月間】ナチスのユダヤ人迫害の記録から着想を得て創られた『吊るされたひと』に始まる、デビュー詩集の再編集版 ---大海原に浮かぶ砂色の雲の表紙に魅せられて手にした詩集。 二十代だった長田さんの内なる感情が迸るような、力強く、時に義憤に満ちて、時に渇望が感じられる詩集でした。 歳を重ねた今でなく、まだ自分の中に、消化しきれない感情がふつふつと湧いていた時この詩集に出逢ったなら、いったい何を感じただろうか…。一人の詩人の経年変化を感じ取るのもまた興味深いことでした。
2016/02/22
Maiラピ
長田さんのイメージはクリムトの風景画でしたが、この本の表紙は雲の画家でもあるコンスタブルのものでした。雲は旅をする。。。鳥も。『かなしみの海』は、私にはなんだか今回の震災の詩のように思えました。たぶん40年以上も前の詩ですが。旅の守り神でもある聖クリストファーのキーフォルダーを最近頂いて、クリストファーについていろいろ調べてたので、ちょっとこの邂逅にびっくり。
2011/06/17
もも
やっぱり詩はあまりよく分からないけれど、素敵だなと思う言葉はたくさんあったと思います。"春をみつける"が一番好きでした。全体的に、前に読んだエッセイ「幼年の色、人生の色」とは違った印象を受けました。力強さがあるというか。"死"について描かれているところは少し恐かったです。でも、だからこそ自分は力強さを感じたのかな、とも思いました。それから、最後の二つの詩の長さに驚きました。詩であんなに長いものもあるとは知りませんでした。長田さんの他の詩集も読んでいきたいと思います。
2017/02/28
けんとまん1007
長田弘さんの初期の詩集の再構築版。これまでのイメージと違って、なんともいえないエネルギーがほとばしり出ている。若さというものからくるのだろう。時代を経ながら、いろいろ読んでみると、その変化が面白い。
2013/06/14
サンノート
タイトルと表紙に惹かれて。詩集はそんなに熱心に読まないが、はっとするような言葉の組み合わせを見つけると、普段意識していないところに血が通う感触がある。そういう感触を、ときどき味わいたいから、詩集を手に取るのかもしれない。自分もいま、長い旅の途中。
2014/08/21
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