人の子イエス
人の子イエス / 感想・レビュー
優希
イエスと何かしらの関わりのあった人々によるイエス像が語られていました。弟子、律法学者、洗礼者ヨハネ、マグダラのマリア、サロメなど、信じている人、敵、一瞬ふと関わった人たちが自分の見たイエスを語ります。ただ、彼等の中に本当のイエスを見た人がいるかは疑問です。イエスを神の子ではなく、あくまで人の子として描ききったことでフィクションとしてのイエスが浮かび上がったと思います。「地上にいたイエス」が強く感じられました。
2015/11/18
メルセ・ひすい
15-41 挿入詩、多数有り。福音書とは当然後の学術派牧師が研究し作成したもの。頁のなかで、今も地上を「人の子」イエスは歩き続ける。初期キリスト教が発展したレバノンマロン派の家系に生まれ、今全米でアラブ系詩人として著名である。使徒たち、マグダラのマリア、ユダ、総督ピラト、ペルシアの哲学者、ユダヤの大司祭、ナザレの隣人など、同時代人70数名の証言のかたちで描くイエスの生涯。レバノン生まれの詩人が甦らせた「地上を歩むイエス」。
2011/06/18
沢山の知恵と勇気をくれた本に感謝を
詩のような独白が多く、なんかよく分からないものも多かったが、読んでて心地よい。面白い試みだと思う。福音書では、目立つ登場人物は限られてくるが、多くの人間それぞれの人生に、多かれ少なかれ関わり、それで人生が変わった人もいるし、素通りした人もいる。映画を見るよりリアルな、中東の乾いた風を感じた。アリマタヤのヨセフは、埋葬シーンの回想を期待してたのだけど、なんか全然違った…
2022/02/20
国分寺ルカ
カトリックの私には勉強になりました。 聖書の理解が深くなったかも。
2020/12/12
編集長
レバノン生まれの詩人、作家、画家、彫刻家であるカリール・ジブラーン(1883〜1931)が書いたイエス伝。イエスの同時代人(72人)による歌や証言という体裁をとる79の小編によってイエスの姿を浮かび上がらせようとするフィクションです。自分の興味を引いた箇所だけを拾い読みしたので、著者の狙い通りの読み方をしたとは言えませんが、滋味豊かな味わいがありました。数を減らしても1編ずつをもう少し書き込んでくれたほうが私の好みに合ったと思います。Wikipediaによればジブラーンはキリスト教マロン派信徒。
2014/08/11
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