シモーヌ・ヴェイユ選集 1―― 初期論集:哲学修業
シモーヌ・ヴェイユ選集 1―― 初期論集:哲学修業 / 感想・レビュー
兎乃
敬愛するヴェイユ。16歳の時、アンリ四世校哲学準備級で師アランと出会った彼女は、そのままパリ高等師範学校にてアランの「思考の鍛冶場」で熱い鉄を打ち続け、そして精錬された初期24篇。撓うほどに強靭なドライヴのかかる思考、その意思、若き日の文体の純粋さと構成の緻密さ、秘めた他者への優しさ。34年間の短い生涯で、多岐にわたり思索し、病弱な自らの体を使いきったヴェイユ。長期間、就寝前の読書として傍に置いた本、しばらく本棚へ。
2013/03/21
月
物質的な権能が思考を剥ぎ取られて出現する自然の光景に触れて初めて人間は至高の価値へと向き直るすべを会得する。世界にまったく希望を抱かなくなって初めて精神は一切の希望を自身に寄せるに至る。精神が一切混入しないこの自然は我々が精神をあらゆる動物的な混淆から浄める一助となる。
2021/09/25
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