シモーヌ・ヴェイユ選集 II―― 中期論集:労働・革命
シモーヌ・ヴェイユ選集 II―― 中期論集:労働・革命 / 感想・レビュー
Koning
存在しない神に祈る人というか、ローザ・ルクセンブルクとともに20世紀初頭の革命の闘士というか、詩人というかそういうシモーヌヴェイユの労働運動やら革命闘争やらという部分の論集。ある種ピュアな尖がり方が小気味良いというか、ナチもボルシェヴィキも一刀両断なところはなかなか。工場日記はここだけ横組みでページ数がアレなことになってしまってるんだけど、面白い試みだとおもう。
2012/09/29
bouhito
哲学の博士が、いわゆる3Kの工場で働く。ユニクロ潜入記みたいなルポタージュ。労働問題に関心を持つ→実際に、その場で働いてみる、という実学の鉄則を地でいける哲学者が今どれだけいるのか。今、危機に立たされる人文学の緒を見つけた気がした。
2018/01/28
月
普通の人間が気付かないもの、或いは無意識に気付かぬふりをしているもの、見ようとしないもの、考えない視座にて、ヴェイユは物事を考える。社会的抑圧に抗して自由の理想を追い求め、その苦しみ(不幸)の中で生きてこそ見えてくるもの、本来の自分、それに気づかなければ、ヴェイユの求める人間像の起点には立てない。 なぜ、そういう厳しき思想へ突き進むのか、ヴェイユ自身の生き方を通して(その生き方を追ってこそ)見えてくる。 本書(選集Ⅱ)は、中期論集 労働・革命として、同時代の時事論評11篇と工場日記を収録。
2021/10/12
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