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消えた国 追われた人々――東プロシアの旅

消えた国 追われた人々――東プロシアの旅

消えた国 追われた人々――東プロシアの旅

作家
池内紀
出版社
みすず書房
発売日
2013-05-10
ISBN
9784622077633
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消えた国 追われた人々――東プロシアの旅 / 感想・レビュー

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まーくん

再読。独文学者池内紀がギュンター・グラスの翻訳を機に、今はない「東プロシア」を旅する。バルト海沿いに延びた中世騎士団領に起源を持つこの”国”は、一次大戦で飛び地となり、二次大戦後、ポーランド及びソ連領となり消えてしまった。辺境のイメージだが、かつての首都ケーニスベルクにはコペルニクスが生まれ、哲学者カントが活躍。紀行は港町グディニアから。大戦末期、ソ連軍に追われた避難民を満載し出港した客船グストロフ号。その夜、真冬のバルト海でソ連潜水艦に撃沈され九千人以上が犠牲に。知られざる史上最大の海難事件が語られる。

2019/07/15

KAZOO

東プロシアがポーランドの東にあるとはイメージ的に認識していませんでした(ドイツの歴史は結構勉強していたつもりですが)。そこを探訪して歴史と紀行をかねてよく調べ上げたものだと感心しました。あまり表に出てこない歴史の暗部なのでしょうが、池内さんはよく自分の目と足でたどられたものだと敬服しました。まだまだドイツの歴史ではわからないこともあるので勉強しなおしです。

2013/11/08

takao

カントが生まれ育った国、東プロシア。首都はケーニヒスべルク。ロシアが攻めてドイツ系難民1200万人は消え去り、国も消滅した。かつての首都は、現在ロシアの飛び地カリーニングラード州の首都カリーニングラード。

2024/05/23

belle

プロシア(プロイセン)ではなく東プロシアとはあまり聞きなれていなかった。「凍てつく海のむこうに」を読んで興味を持ち、巻末の参考図書からこの本を選んだ。ゆるやかな民族共同体だったが、国は消されて多くのドイツ人難民が生まれた。カントやホフマン。シュリーマンにコペルニクスやビスマルクの名も登場する。「凍てつく~」のグストロフ号の悲劇と琥珀の間についてももちろん語られる。新たな国境の線引きで町の名も変えられた。カリーニングラードにはなかなか馴染めない。

2018/08/04

hakodadi

ラトヴィアの情報を渉猟中に発見。第2次大戦前にバルト海沿岸にあった国、東プロイセン。ドイツの東方進出の大義名分とされ、大戦後にはポーランドと旧ソ連に分割領有。住民の大半を占めたドイツ系住民は大半が祖国へ帰還(又は死亡)した、いまや幻となった国。祖国とは、領土とは何かをあらためて考えさせられる歴史の、にもかかわらず戦後もほとんど顧みられることなく封印された事実。なかには9,000人という未曾有の海難事故という悲劇も含まれる。旅のエッセイ風の著者の筆に乗せられて一気に読み継ぐも、読後は沈鬱。

2016/09/26

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