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奇跡―ミラクル― [詩集]

奇跡―ミラクル― [詩集]

奇跡―ミラクル― [詩集]

作家
長田弘
出版社
みすず書房
発売日
2013-07-06
ISBN
9784622077862
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奇跡―ミラクル― [詩集] / 感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「〈奇跡〉とは、稀有な出来事というのとは違う」と作者はあとがきで記している。たとえば〈奇跡〉とは小さな微笑み。それが失われれば、世界はあたたかみを失う。収録されている30篇の詩には〈言葉〉に対する作者の哲学が投影された作品が目立った。たとえば「人は、言葉を覚えて幸福を失う。覚えた言葉と同じだけの悲しみを知る者になる」「本は文字を記憶に変えることができる。だから一冊の本もない図書館がある」「花の名には秘密がある。教えてくれた人を決して忘れさせない」。深い直感をもち、日々を丁寧に生きれば、言葉には神が宿る。

2015/05/21

ひらちゃん

日常にもどこにでも奇跡はある。些細なことにも見つけられる心を持ちたい。そして感じたい。でもねそこには余裕が必要かも。私自身、一歩引いてみよう。奇跡はすぐそこに転がっているから。長田さんに感謝(*^^*)

2016/08/01

greenish 🌿

【長田弘さん月間】じぶんに呼びかける声、じぶんを呼び止める声。それらに耳を傾け紡いだ30編の詩集 ---私の視界から、手から、記憶から零れ落ちた小さなものを、長田さんの"言葉"が、ひとつひとつ拾い集め、愛しいものに転化させてくれる…そんな気がしました。"奇跡"それは決して稀有な出来事ではないと詩人は言う。微笑む幼子や花の名を教えてくれた人との邂逅、緑濃い森の絵や空の色・水の音・花々の息吹…そんなささやかな光景の中から人生の本質を見つけられる、それこそが奇跡と。起きるものでなく感じるものだと…。 ⇒

2016/02/28

キラ@道北民

「奇跡」とは心の働きの端緒、いとぐちとなるもののことだーとあとがきで語る長田さんの詩文集。 『たとえば、小さな微笑みは「奇跡」である。小さな微笑みが失われれば、世界はあたたかみを失うからだ。』と、物言わぬものたちの声を詩として残してくれている。日常に余裕がなく荒んでくる気持ちがリセット出来た。

2019/06/14

lonesome

失なったもの、過ぎ去ってしまった時間。大切なものは、失って初めて何が本当に大切なものなのかと気づかせてくれるのかもしれない。すべてを手放したとき、それでもまだ何が自分にとって必要なものなのか、自分にも過去にそんなことを考えた経験があるし、つい最近もそんな場面に遭遇したばかりだ。だからこの詩集を読んで自分のことを振り返って共感もしたし、新たに気づかされることもあった。―覚えることは、覚えて得るものよりも、もっとずっと、多くのものを失うことだ。人は、ことばを覚えて、幸福を失う。(「幼い子は微笑む」)

2014/05/15

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